★聖闘士BLADERS
「聖闘士BLADERS」 1巻まで シナリオ:宮崎まさる まんが:印照 小学館:てんとう虫コミックススペシャル
●主人公は至って平凡なベイブレード大好き少年2人
「小学五年生」と「小学六年生」連載。
ベーゴマの一種、“ベイブレード”を主題としたマンガで
ベイブレード大好き少年、「剛蹴太(ごうしゅうた)(小6)」と
「剛速人(ごうはやと)(小5)」の2人が主人公。
2人はいとこ同士という設定になっている。
2人ともベイブレードが好きということ以外はどこにでもいる
小学生といった感じで特別な能力とか派手な展開はあまりない。
しかしこのマンガ、実は別なところにおもしろさがあるのです。
●おもしろい試みで連載されているマンガ
このマンガは「小学五年生」でハヤトくんが主人公の「聖闘士BLADERS」と
「小学六年生」でシュータくんが主人公の「勝ちぬけベイバトル Go!シュータ!!」が
ドッキングして1冊の単行本になっている。
お話はそれぞれ独立してはいるものの物語まで別々になっているわけではなく、
合体させればちゃんと1つの物語になっているのが
このマンガのすごいところ。
この物語は小学六年生2001年9月号付録に読み切りで連載されていた
「めざせベイブレードマスター」から始まる。
シュータくんとハヤトくんは同じ小学校に通っていたが、ハヤトくんの方が
転校してしまうことになる。そして転校してしまったハヤトくんはなんと
小学五年生2001年9月号の「聖闘士BLADERS」でちゃっかり主人公として
登場してしまっているのである。
そこから、シュータくん編は小学六年生2001年10月号より
タイトルを「勝ちぬけベイバトル Go!シュータ!!」と変え、
ベイバトルトーナメント北関東大会でシュータくんが活躍する話を、
そして小学五年生のハヤトくん編、「聖闘士BLADERS」では
ベイバトルトーナメント南関東大会でハヤトくんが活躍する話を
それぞれ同時進行させているのである。
その後、小学六年生2002年3月増刊号で「勝ちぬけベイバトル Go!シュータ!!」は
終了したが、小学五年生2002年4月号より、再びシュータくんが主人公のベイブレード物語が
新連載されている。タイトルも「聖闘士BLADERS」に統一された。
こうして「聖闘士BLADERS」の2人の主人公がそれぞれ小学五年生と小学六年生で
活躍しているのである。
ハヤトくん編のほうが聖闘士やらオリハルコンやらで意味深な試合展開になっているのに対し、
シュータくん編のほうはただベイバトルトーナメントをひたすら勝ち抜くだけの内容だった。
・・・が、小学五年生2002年4月号よりシュータくんが主人公の「聖闘士BLADERS」が登場したからには
シュータくん編もハヤトくん編の話に大いに関わってくることだろう。
●それぞれのキャラクター
シュータくん編・ハヤトくん編共に、主人公・ヒロイン・メガネくんの
3人の子どもによる主要キャラ構成となっている。
この3人が巧い具合にバランスのとれた組み合わせとなっている。
★シュータくん編
主人公シュータくんは元気という言葉が似合う少年でやや短気。
女の子にめっぽう弱く、抱きつかれたりすると鼻血が吹き出てしまう。
ヒロインは「赤木サーラ茜(あかぎさーらあかね)」。
シュータくんとベイバトルしてその戦いっぷりにホレて
それ以来、シュータくんをやたら応援しまくる。
キスしたり胸を近づけたり結構積極的。
メガネくんは「ミノル」。
ベイブレードに関する知識に長けているが、実力はそれほどでもない。
性格はまじめ。
★ハヤトくん編
主人公ハヤトくんはとても明るい少年で人なつっこいが気弱な面も見られる。
ヒロインは「伊藤舞(いとうまい)」。
自らもベイブレードをするほどのベイブレード大好き少女。
物事をはっきりさせるタイプで結構世話好き。
今ひとつ冴えないハヤトくんの保護者的存在となっている。
メガネくんは「奥田健一(おくだけんいち)通称オタク」。
オタクくんと言われているとおり、ちょっと太っていて見た目がオタクっぽい。
ハヤトくんがベイバトルをするときは興奮しながら応援をする。
見ていて暑苦しい。最悪なことに伊藤舞ちゃんのことが好き。
・・・といった感じなんですが、同じ主人公・ヒロイン・メガネくんの1セットなのに
微妙に違うキャラクター設定をするあたりはとても感心しました。
この6人のキャラが入り交じっても誰が誰だか
分からなくなるようことはないでしょう。
ベイブレードが分からなくてもシュータくんやハヤトくん達を見ていれば
彼らに感情移入できて話全体が見えてくるから
ベイブレードがどんなものでどんな秘密があるのか知りたい人は
このマンガを読んでみるのもよろしいかと思います。
2002.4.13更新