★おどろき!ももの木笑店街
「おどろき!ももの木笑店街」 全3巻 著者:松本しげのぶ 小学館:てんとう虫コミックス
●自称「よい子族5人組」が繰り広げるドタバタ商店街ギャグ!
ももの木商店街のおもちゃ屋の二代目、「商売 はんじょー(10)」が主人公。
(ちなみに父親の名前は商売 大はんじょーと言います)
はんじょー君が店の商品であるおもちゃを使って商店街を暴れまくるシーンは見ていて
素直に笑えます。
はんじょー君はももの木商店街のよい子族5人組のリーダーで、
危ない薬を開発する薬屋の二代目「薬中 毒太(やくなか どくた)通称ドクター」、
いろんな動物を操り、犬並の嗅覚をもつペットショップの二代目「野 生児(や せいじ)通称ペットン」、
普段は本当によい子だが刃物を持たせると振り回して人に襲いかかる危ない性格になる
金物屋の二代目「刃 研次郎(やいば とぎじろう)通称ヤイバ」、
彼のゆくところ死体あり!無口な葬儀屋の二代目「神田 洋(かんだ よう)通称ブツダン」の
以上4人と行動を共にし、ももの木商店街に起きた事件難題を彼らの持ち前の個性で解決していくのである。
※ちなみに別冊コロコロコミック連載時は「野 生児」は「犬飼 育照(いぬかい そだてる)」、
「神田 洋」は漢字は同じですが、「かんだ よう」ではなく、「しんだ よう」という名前でした。
なんで変更されたのでしょうか。
●誰でも気軽に読めるおもしろさ
まずこのマンガの良いところはテレビゲームやホビーなどを全く知らない子供達でも誰でも楽しく
読める作品であるということ。たまに下ネタに走ったりもしますが、くどくないため、何の抵抗もなく読めます。
キャラクターがかわいいので小学生の男の子はもちろん、小学生の女の子でも楽しめそうな内容だと
思います。幼稚園児でも楽しめそう。
●愉快なキャラクター達が盛り沢山!
愉快なキャラクターがたくさんいることもこのマンガの魅力のひとつ。
ももの木商店街にはいろんなお店があってそれぞれのお店に合ったキャラクター達が住んでいます。
ネーミングもいいですね。(個人的にはカレー屋さんのゲキカラーダ・クッテミーナが一番好きです)
いろんなキャラクターを出してきても似たような性格のキャラクターはいないところも
このマンガの良いところですね。
あとこのマンガには“プーピーマン”というキャラクターも登場します。
これはクレヨンしんちゃんでいうところのアクション仮面みたいなもので
このプーピーマンがももの木商店街の子供たちの人気ヒーローになってるみたいですね。
白いおばけ?というかなんというかそんなイメージがあって悪者をやっつけるとかいうのは
ないんですけど、ちょっとしたシーンによく登場するから目立つんですよね。このマンガには
欠かせないキャラクターになっています。
●児童マンガらしい作品だと思う。
まあ確かに「死体どっさりシーン」には少々ひくかもしれませんが、そんな毎回毎回出しませんし、
(むしろちょっとしたアクセントにしか使ってないと思う)全体的にすっきりした心地よいおもしろさがある。
ちょっとしんみりしたお話になったとしても最後にはサラッと笑えるものに仕上げている。
内容も中途半端になったり、しりきれトンボになったりせず、一話一話きっちりまとめていて
児童マンガの中では群を抜いてクオリティーの高い作品だと思う。児童マンガの王道と言っても
いいんじゃないかな。
●この「おどろき!ももの木笑店街」にあたって
このマンガは別冊コロコロコミックに連載されていたマンガなので2ヶ月に1度しか読めなかった。
単行本にいたっては1巻が刊行されてから2巻が登場するまで1年くらいかかった。
「なんで別コロではなく、コロコロで連載されないんだ?」と疑問を持ちながら
単行本は第3巻で終了してしまった。たった3巻とは非常に残念だ。
でもよく考えたらこれだけおもしろい作品が描けたのも、作者が2ヶ月に1度の余裕のあるペースで
マンガを描くことができたからなのかもしれない。
今現在(2000年)、作者の松本しげのぶ氏は、「デュエルマスターズ」という
ホビーマンガを連載している。でもまたいつの日か「おどろき!ももの木笑店街」のような
正統派児童向けギャグマンガを描いてくれることをぼくは密かに期待しているのです。
2001.7.10更新