★K−1ダイナマイト
「K−1ダイナマイト」 7巻まで 著者:坂井孝行 小学館:てんとう虫コミックス
●世界最強をめざす少年、“大奈舞人”
主人公「大奈舞人(だいなまいと)」は世界最強をめざす小学5年生。
今まではお坊ちゃんを装っていたが、過保護な母親から逃れるため
猛勉強し、名門校へ行くことになる。
「勉強なんかやらねーもんね」
名門校へ転入したとはいえ、舞人の真の目的は、誰よりも強くなること。
さっそく舞人は勉強そっちのけで空手部に入部しようと、部室に入ろうとしたが、
いきなり中から空手部の主将、「岡本」が何者かに投げ飛ばされてしまう。
部室の中にいたのは「空手なんかつまらん」と言ってる大きな男だった。
「空手がつまらんなんてのは、おれをたおしてから言え!!」
舞人は1週間後にこの男と決闘することになるのだった。
空手歴ゼロの舞人のK−1人生がここからスタートする・・・!!
●舞人の飽くなき挑戦心
男との闘いを見て舞人に何かを感じた「アンディ・フグ」は舞人に
自分が師範代をしている正道会館に来るように誘い、舞人はそこに入門する。
格闘経験なしの舞人だが、心の底から空手を愛す心と
どんな敵にも立ち向かっていく挑戦心が、彼をどんどん成長させる。
たまに脱線したり、失敗したりすることもしばしばだが、そんな経験を経て、
舞人は強くなっていく。
こういった舞人の成長過程がごく自然に描かれているため、
感情移入がしやすく、結構熱く読める。
お話の進め方もスピーディで一気にガガーッと読めてしまう。
格闘マンガとしてはなかなか良くできた作品だと思います。
●キャラクターたち
舞人は闘いの中でいろんな格闘仲間たちと出会う。
「クリス・ククトミューゼン・C・カスダン(通称C4シーフォー)」を始めとする
「地雷元(じらいげん)」「ニトロ」「マイケル・スピードウェイ」など多数。
おのおののキャラクター設定も良くできています。
舞人が憧れているアンディ・フグが亡くなってしまいましたが、
このマンガは終わりません。なんといっても舞人が
主人公ですし、それにアンディ・フグの元を離れて
完全にキャラ立ちしてますしね。
アンディ・フグと過ごした日々を胸に秘め、舞人は
これからも闘い続ける。
●おすすめできます!
K−1と提携しているとはいえ、ごく普通の格闘マンガなので、
これなら何年後かに読み返してもきっとおもしろさは変わらないのでは
ないかと思います。児童マンガらしい絵柄とスピーディな試合展開は
そこらの少年マンガには負けない勢いがあると思う。
強いて欠点をあげるとすれば格闘シーンの描写がちと甘いことと、
あともう少し動きが欲しいな、といったところか。
まあこれは個人的な意見なんですけど・・・
3巻以外は各巻の巻末に番外編のマンガも収録されていてかなり
おトクです。児童マンガを読んでやろうと思っている方は
このマンガから読んでみるといいかも。
おすすめできます。
2001.9.9更新