★デュエルマスターズ
「デュエルマスターズ」 6巻まで 著者:松本しげのぶ テクニカルアドバイザー:中村聡 小学館:てんとう虫コミックス
●切札勝舞、ただいま修行中!
マジック・ザ・ギャザリング(カードゲームの一種)がなにより大好きな
「切札勝舞(きりふだしょうぶ)」という11歳の少年が主人公。
幼なじみの「角古れく太(かどこれくた)」を従えて、今日もホビーショップ等で
デュエル(試合をすること)をしまくっている。
勝舞の父、「切札勝利(きりふだしょうり)」は、マジック界アジアチャンピオンの
「NAC(ナック)」と一緒にデュエル修行の旅に世界中を回るが、途中で、
GARDE(ガルデ)という闇の集団と出くわし、完敗してしまう。
その翌日、勝利は1枚の封筒を残し、そのまま姿を消してしまうのである。
そのことをNACから聞かされた勝舞は「自分もそんな強いヤツと勝負してみたい・・・」
「父ちゃんはきっともっと強いヤツを求めてまた旅に出たに違いない」
そんな風に考え、デュエルマスターをめざす決意を固める。
現在、勝舞は白騎士(ホワイトナイツ)の異名を持つ
「白鳳(はくほう)」という冷酷非情な天才デュエリストと
勝負するため、勝舞の前に立ちはだかる敵を倒し続け、
奮闘している。
かつては敵だった「難波金太郎(なんばきんたろう)」や
「黄昏ミミ(たそがれみみ)」を仲間に加えて切札勝舞は
デュエリストとしても人間としても大きくなっていく。
がんばれ!
●ギャグマンガ的な絵を活かして
松本しげのぶ氏は前に「おどろき!ももの木笑店街」という
ギャグマンガを描いていたため、やっぱり絵、内容ともに
なんとなくギャグっぽいのである。
しかしそれが意外にもこのマンガにうまくマッチしている。
れく太や金太郎、「邪藩牛次郎(じゃぱんぎゅうじろう)」などは
キャラクターそのものがギャグだし、ミミと金太郎の時折見せる
ボケツッコミなんかも、それぞれのキャラクターの性格をうまく利用した
ギャグなのである。
松本しげのぶ氏は、かっこいいキャラを描くのが
うまいとはちょっと言い難いが(汗)、そういう短所を
持前のギャグセンス的な絵&内容でカバーしている
ように思える。
●このマンガでわかったことは?
“マジック・ザ・ギャザリング”を知らないぼくが単行本1巻を
読んでわかったことは、このゲームは、2人で遊ぶカードゲームで、
プレイヤーがそれぞれ魔法使いとなり、カードを使って、
相手LP(ライフポイント)を奪うのに必要な
クリーチャーと呼ばれるモンスターを召喚したり、
あるいはカードに書かれたルールなどによって、
自分に有利な状況にしつつ、相手のLPをゼロ(初期値20)に
したほうが勝ち、ということである。
そのほかにもデッキとかマナとかいう単語も出てくるが、
大体は理解できるようになる。(実際にプレイできるように
なれるかどうかはわからないけどね)
●このマンガでのデュエルの表現法
実際、勝舞たちがデュエルしているところを見てみると、
まず、クリーチャーを呼び出すのに必要な“マナ”を
生み出すため、土地カードを使用する。
そしてある程度マナがたまったら、カードを使って
クリーチャーを呼び出すわけだが、その時、出されたカードから
突然、クリーチャーがプレイヤーの目の前に出現し、相手を襲う。
そして攻撃されればプレイヤーはダメージを受け、
時にはぶっ飛んでしまうこともある。
(現実ではそんなことは絶対に起きない)
地震カードを使えば本当に地震が発生するし、
火の玉やカビなどもプレイヤーめがけて襲ってくる。
(もちろんこれも現実では絶対に起きない)
それともこれらの現象はデュエルしている人たちだけが
見える想像上の現象なんだろうか。
いずれにせよ最近のカードゲームマンガではよく見かける
マンガ的表現なのですが、そのおかげでホビーマンガとしては
かなりおもしろいものに仕上がっていると思います。
もちろん、現実の世界ではカードを出しても、クリーチャーは
出現したりはしません。(まして地震も起きません)
でもこのマンガのおかげでマジック・ザ・ギャザリングを
知らない子供でも、少しはルールを飲み込める程度には
分かるようになってるのではないしょうか。
もし、デュエルマスターズのキャラクター達が登場する
マジック・ザ・ギャザリングのTVゲームが出てきたら
おもしろいかもしれませんね。
2001.9.12更新