第40回 1993年11月28日 [前半]
第41回 1994年1月23日  [後半]

【研究発表】「大阪府方言を二分する摂河・和泉両方言について ―主に和泉方言の観点で―」

【発表者】岸江 信介

【要旨】大阪府方言は、方言区画上、摂津、河内、和泉の三方言に大別されるというのが、これまでの通説であった。しかし、語彙、表現法の上から摂津方言と河内方言との差は、和泉方言と摂津方言、和泉方言と河内方言それぞれの差に比して極めて小さい。そこで、大阪府方言を区画する際には、まず摂津方言と河内方言とを一つにまとめ、摂河方言とし、この方言と和泉方言にまず大別するのが、府下での方言分布および対立の上から最も適切であるという結論に達した。その根拠として、ハル敬語の使用の有無、軽卑語ヨルの使用の有無、ヤンカ(ヤン)の使用の有無、完了態の形式の差(摂河方言;タール、和泉方言;チャール)等である。


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