語る「万華鏡」

(「アイデンティティー」に書き足す)

アイデンティティー(あいでんてぃてぃー)

項目名アイデンティティー
読みあいでんてぃてぃー
分類ミステリ映画

作者
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  • 公的データ
  • 監督: ジェームズ・マンゴールド
    脚本: マイケル・クーニー
    出演: ジョン・キューザック レイ・リオッタ レベッカ・デ・モーネイ アマンダ・ピート

    激しい雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテル。管理をしているラリーがくつろいでいるところへ、ひとりの男が飛び込んでくる。彼、ジョージは息子ティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む。救助を要請しようとするが電話は不通だった。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。彼は病院へ向け車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことに…。ある時、ある一室で、既に死刑判決の下った事件について再審理が行われようとしている。ポイントとなっているのは、その事件の連続殺人犯である囚人が書いた日記だった。 (おっぺ)
  • 感想文等
  • そして誰もいなくなった」よりも「13日の金曜日」みたいではあったけれど。。。(笑)
     観る前のかすかな情報と、「アイデンティティー」というタイトル、それに、これまで読んできた様々な「ミステリ」たち。で、大体「こんなネタかな」というのを予測しながら観ていた。
     最後の最後のどんでん返しにしないで、途中途中でネタを割っていったので、まあ、解りやすいといえば解りやすいかな、、、と。
     「ユージュアル・サスペクツ」+「裁くのは誰か?(小説)」だなあ、、、と思いながら、でも、これなら、この死刑囚の部分は要らないんじゃないのかな、確かにこれでないと『カウント・ダウン』が不可能犯罪になってしまうけど、でも、この解離性同一障害の部分がないほうが、映画としてまとまっているし、「30になるから、故に帰って、オレンジの世話をするの……!」は、これはこれで心に残るじゃないか? とか思ってた。こういう心情吐露の部分があるのとないのとでは、キャラへの感情移入が全然違う。この部分で、この女性キャラは「生きた」わけで、となると、これを内面でのロールプレイングにしてしまうのは惜しいんじゃないのか、と思わせた。
     それにしても、その「内面でのロールプレイング」、この心情吐露の部分や、いかにも一番怪しい「刑事役」の背中の血のシミといった伏線など、この死刑囚がまるで本格ミステリ作家ででもあるかのような構築力で(笑)、多重人格ってここまで完璧なものなのかな。。。くらいに思った。

     と。「思いながら」「思ってた」「思わせた」「思った」と、思い続けて。。。。こうくるかあ。
     いやね、途中、疑わないではなかったんだ、でも、その「途中」で、死刑囚のアイデンティティーの話が出てきたから、すっかりそっちに惑わされてた。なるほど、「だから」こういう構成だったんだ。
     全部、このミスディレクションのためだったのか!
     この映画は、ひとえに、この本格ミステリ的プロットに奉仕して作られた、本格ミステリ映画であったのだ。出来栄えが何もかも素晴らしいとはいえないけれど、ちゃんとそういう嗜好で作ってあるんだなあ、と。
     いい映画でも心が豊かになる映画でも癒される映画でもないけれど、エンタテイメントには違いないんだ、こういうものも。(おっぺ)
  • 作者
  • 作家・監督等
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