語る「万華鏡」

(「怪獣男爵」に書き足す)

怪獣男爵(かいじゅうだんしゃく)

項目名怪獣男爵
読みかいじゅうだんしゃく
分類ミステリ小説

作者
  • 横溝正史
  • 公的データ
  • 瀬戸内海の真中に男爵島という離れ小島がある。全島が赤に覆われているが、島の中ほどの小高い丘の上に奇妙な建物がたっていた。尖塔や、周囲に廻せた広い堀と跳橋は、まるで西洋の古城のようだ。だがこの建物のまわりには、一種異様な妖気が漂っていた。
     八月も末のある午後のこと、一艘のヨットが男爵島の沖合いを走っていた。すると突然、黒雲が広がり、叩きつけるような大雨と突風がヨットを襲った。その時である。島から望遠でしきりにこの様子を窺っている人影があった。狭い額、出ばった顎、落ち窪んだ眼。そうだ、これこそ荒くれ漁師達を震え上がらせた、男爵島の怪物だったのだ! サスペンス溢れる傑作長編推理。
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