項目名 | 道は星雲の彼方へ |
読み | みちはせいうんのかなたへ |
分類 | SFドラマ |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | しかし、第一話の「法廷」での決着だったTNGと比べても、ヴォイジャーでは旅そのものへの終焉を描かなければならない。そして、前編冒頭で映し出されたものは…… このヴォイジャーのシリーズで、必ずしも艦長のキャスリン・ジェインウェイは判断や行動が『正しい』と言い切れない場合も多かった。咄嗟の直感や感情論での言動もあり、その点で例えばピカードなどとは信頼度等で及ぶものではなかった。 だが、ジェインウェイ以外のどの指揮官が、セブン・オブ・ナインという存在を産み出せただろう。おそらく、カークもピカードもシスコも、仮にボーグの集合体からセブン・オブ・ナインを切り離すところまでやったとしても、そのあとクルーとして迎え入れ、堅い絆を作り出すなど…… そして確かにセブンも、ジェインウェイに「なつく」感じの感情をすら持っていたのだ。 いくつもの「可能性の未来」が、すでに旅の途上で幾例も出現していた。この「最終回」も、いわばそのうちの最新バージョンの一つに過ぎないとも言える。ケスが見た未来、キムやチャコティが過ごした未来、それら全ての選択肢を、しかし、ジェインウェイは自らの独断で一つに絞り込みにかかった。いつものような、独断で…… ケスや、ドクターや、セブン・オブ・ナインや――彼ら魅力的なキャラクターの中で、ジェインウェイは独り主人公らしく存在してはいなかった。セブンに人間の尊厳を持てと説きながらドクターをレプリケーターと同じに扱い、偽善や矛盾や一方的な独善を山のように持っていた。 この最終回は、しかし、ジェインウェイのための最終回だった。独り主人公ジェインウェイのためだけの…… ヴォイジャーは地球に戻り、ジェインウェイは提督となった。もう冒険の日々は戻らない。 しかし、もし、彼女のクルー達に何かが……そのときはきっとジェインウェイはまた勝手に動き出すのだろう。その意味では、ジェインウェイはずいぶんとカークに近かったんだろうなと思いもするのだ。(おっぺ) |