感想文等 | 順之助は、本当なら「新仕事人」最終回で錺の秀が死んだ後、秀よりもさらに若い、「仕事人は正義の味方」などという純粋かつ甘美な願望を持ったまま仕事人になってしまった若者ということで、そんな少年の彼が、必殺という物語の中でどう生きていくか、、、というかなり危ういテーマ性を持たされる役回りになるはずだった。。。ようです。 それが、「ファンの要望により」秀が生き残ることになってしまい、その結果順之助はキャラクターとして宙ぶらりんになり、やがて石投げ係に降格された挙句、ついには自らのミスでただただ無意味に仲間を巻き添えにして死んでしまう――。 物語は、物語自体が登場人物と共に生を活きていると思います。それを、「ファンが望むから」「作者にとって都合がいいから」ということで、本来の道筋を外してしまったなら、、、それが例えば順之助の悲劇になってしまった。牽強付会ですが、そう思ったりするのでありました。(おっぺ)
中村主水だって最初に登場したときは大甘で(笑)、「正しいことなんかねえ。きれいなことなんか、この世の中にはねえ。そう思いながら、心のどこかでそれを信じて、十手を握ってきたんだ……」などと言っていたわけです。そんな主水にとって、すり切れて表はおろか裏ですらもサラリーマン化してきた頃に突如として現れてきた「仕事人は正義の味方ですね、憧れます!」などと本気で目をキラキラさせている順之助は、鬱陶しいけれど切ないような存在だったのかもしれません。けれど、そんなままでいては、糸井貢のように、印玄のように、鉄のように、死んでいってしまう――。 だから、最初のうちの主水は強いて厭な仕事、暗い仕事を順之助に背負わせようとしていた、舞夜さんの言う「どん底」にわざと落とそうとしていた、そんな気もするのですが。。。(おっぺ)
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