語る「万華鏡」

(「必殺!三味線屋勇次」に書き足す)

必殺!三味線屋勇次(ひっさつしゃみせんやゆうじ)

項目名必殺!三味線屋勇次
読みひっさつしゃみせんやゆうじ
分類必殺シリーズ

作者
  • 脚本:野上龍雄 監督:石原興
  • 公的データ
  • 江戸の町に流行する秘薬を巡り、仕事人たちが卑劣な悪漢どもを殺すシリーズ第7弾。人に代わって悪を殺す仕事人の三味線屋・勇次。彼とコンビを組んで仕事をしている髪結いの弥助は、いきつけの夜明かしの女将・おとよに秘かな愛情を交わしいた。しかし、そのおとよには人には言えない暗い過去があった・・・(おっぺ)
  • 観てきたぞ、『必殺! 三味線屋勇次』。情報が錯綜していたけど、結局タイトルはこれが正しいよう。三味線屋と勇次の間にも、中黒はありませんでした。
     前評判がなかなか好評だったので、けっこう期待はしてたんだけど、不安も半分くらいあった。でもそんな不安を吹きとばすくらいの傑作。正直驚いたね、面白いんで。比較するなら、『裏か表か』や『恨みはらします』に匹敵すると思った(といっても『裏か表か』や『恨みはらします』が、大きな話を派手に描いていたのに対し、『勇次』は小さな話を切々と語るタイプなので、ぜんぜん違うんだけど)。
     勇次が主役なのに、後期的テイストはぜんぜんなくて、完全に前期必殺の雰囲気。別にぼくは後期必殺を否定しているわけじゃないけど、観たいのはこういう話だった。前期の頃にスペシャルが作られていたらこんな感じだろうと思ったよ。まだまだ必殺は死んでないねぇ。
     見終わってよくよく考えてみたら、ストーリーはすごーくありがちなんだよね。でもちょっと目先を変えていることと、登場人物の心情を丁寧に描いていることで、傑作になっている。なるほど、こういう手があったかと感心してしまった。2月11日公開だから、必殺者はお金を出しても見に行きましょう。ちなみに、パンフレットの内容紹介は先に読まない方がいいかも。中盤の展開に驚けなくなります。(貫井徳郎氏の日記より)
  • 感想文等
  • この映画は、本当に何年ぶりかで映画館に行って見てきました。
    うん、見た値打ちはあったと思います。
    まあ、ビデオ待ちでもよかったと言えばよかったと言えるかもしれないけれど、やっぱりネタバレなしで先に見られたのはとってもよかった。
    正直言って、「えっ!」と某シーンでは驚いたし、前半、いろいろ「うーん・・・」と首をひねっていた「演出ミスじゃないのか」が、その瞬間から、後半、「そうか、あの演出はミスじゃなくって、ミス・ディレクションだったのかっ!」とムナ落ちしまたもん。
    これはですねー、とにかく、「ネタバレ」してしまう前にまず見る、それをおすすめです。
    文句を1つだけ言うなら、もういい加減「金を取らなきゃ、ただの人殺しだ」というセリフは聞き飽きたよ(^^;。
    と。。。思ったら、「はっ」、このセリフ、確かに仕切人1話での勇次のセリフ。。。
    そうか、このセリフすらわざとだったのかあ。。。(おっぺ)
  • 「金をもらわなけりゃただの人殺しだ」って言い方には、「金をもらってるから、ただの人殺しより上(りっぱ?)だ」みたいにきこえるものがあるんでげすよね。
    あたしゃあやっぱり、「おれたちゃ悪よ、悪で無頼よ」「人様の命もらっておまんま食ってる悪党だ」「殺しは殺しだい、この癖はなかなかやめられねえぞ」の線が好きなんですなあ。

     まっ、勇次が言う分には、なるほど勇次仕置人でも仕業人でもなくって、仕事人なんだもんナー、仕事人なら「金をもらわなけりゃただの人殺しだ」なんて言いもするよなあ、だって仕事人ってのはそういうモノ。。。というより、勇次の場合は、確かになるほど「新・仕事人」から登場した「純正仕事人」で、1度だって「仕置人」だったり「仕業人」だったりしたことはないんだもんなあ。。。1回仕切人とか名乗ったけど。と。。。思ったのでしたー。(おっぺ)
  • 「叫び」は、いってみれば、からくり人が「金とは手を組まない!涙とだけ組む!」と言い募るのに対して、「いや、この金こそが依頼人の涙なんだ、叫びなんだ」と言い返しているんですかね。(おっぺ)
  • このミスディレクションキャラ、清水健太郎であることに全然気がつかなかった。よく肥えてまあ。。。(^^; おまえは渡辺徹か。。。
     それはともかく。
     いい加減見飽きた「腕の立つ奴を仲間に入れる」パターンかと思わせて、どんでん。これは、「ファースト仕事人」の「仕事人危うし! 暴くのは誰か?」レベルには行っていたどんでんだったと思います。
     つまり、「新仕事人デビュー」の新シリーズ第1話と思わせておいて、実は阿部仕事人の最期を描くシリーズ最終回だったという形になるわけですから、うまく仕組まれたなあという感じ。
     阿部対清水の、まんま仕置屋やんけという主水市松再現シーンも、「おいおい(^^;」と思わせて、実はそれによって清水を観る側に信頼させてしまうミスディレクションだったのかと思いましたねー。ちゃんと出陣のメロディーに乗ってかっこよく出て行くんだもん(^^;、西村左内かと思った(^^;。
     でもって、阿部仕事人の最期の捨てぜりふ、「ざまあみやがれ」はよかった!この映画の眼目はこのどんでんの部分から阿部仕事人の最期ではないかと思うほど。

     れにしても、清水への仕掛けはよく飲み込めなかった。。。私が頭が悪いせいか? 清水と石橋はつまり勇次たちによって罠にかけられたのか? よーわからん。
     それから仕事場面、スリのおねーさんは突然出てきて単なる人数合わせだった(^^;。
     若造の力業、唐突という意見もあるやもしれないが、どうせやるならレントゲンが欲しかった!必殺脊髄引っこ抜きとか。ここでレントゲンが出てきたら、「オオーッ!」と場内が沸いたはず。
     場内が沸いたのはなぜか野村サッチーのシーンであったぞ。。。笑い声がおこっておった。。。

     それにしても、いきなり「ファースト仕事人」終盤のように、仕事の後いきなり終幕とは思わなかった(^^;。

    (職場でサー、「映画を見てきた」と行ったらサー、「アーマゲドン?」とか聞きやンの。で、「必殺仕事人」と正直にこたえたらサー。。。フッ、深くは語るまいて。。。)(おっぺ)
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