語る「万華鏡」

(11文字の殺人)

11文字の殺人(じゅういちもじのさつじん)

項目名11文字の殺人
読みじゅういちもじのさつじん
分類ミステリ小説

作者
  • 東野圭吾(おっぺ)
  • 公的データ
  • 「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。(おっぺ)
  • 感想文等
  • ミステリとして決して不出来ではないのに、面白さを感じにくいのは、やはり東野圭吾のここ数年の作品を知ってしまっているからか。読者の想像の上を行き、「そんな単純な話じゃないんです」と見事にうっちゃる。けれど、ストーリーそのものをどうしても「事務的」と感じてしまうのだ。「本格」ミステリの弱点として。
    けれど、現在の東野圭吾なら、これの「真相」(「救いがない話だ」)をまず正面に出した上で、さらに一段上の「本格」を作ってしまえるのではないか。この「救いがない話」を『謎』として(見事に)隠し通してしまう結果、一番人間の感情が濃密である、本来なら最も小説に必要な部分が消失させられてしまう……そんな感じかもしれない。(おっぺ)
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