項目名 | 厚顔無恥 |
読み | こうがんむち |
分類 | 必殺シリーズ |
作者 | |
公的データ | 江戸の河原に辻斬りが現われ、街は騒然となる。南町奉行所では、江戸随一と言われる剣術師範の笠原監物(目黒祐樹)と息子・太平(浜田学)を招いて、指南を受けることになった。 一方、源太(大倉忠義)は、往来で若侍たちに絡まれたところを、佐藤数馬(忍成修吾)という若者に助けられる。彼は笠原の道場で剣の腕を磨く剣士であった。数馬の気持ちの良い人柄と、貧しさに負けずに息子を支える母・みち(賀来千香子)の優しさに触れ、心の和む源太。 そんな矢先、数馬が剣の腕を認められて、太平の付け人になることが決まった。息子の夢を叶えるため、汗と埃にまみれて働くみちの力になろうと、源太は花御殿のお菊(和久井映見)に相談して、経師屋の涼次(松岡昌宏)の手伝い仕事を紹介した。 ところが、太平の付け人となった数馬が知らされたのは、太平とその付け人・加治田文蔵(尾上松也)と松村金八(仲野毅)が辻斬りの正体だという事実だった。 |
感想文等 | だから、第1話のような大失敗たる破綻も来していない代わりに、なんの冒険もサプライズもなかった。……してみるとあれか?第1話はアレはアレで大失敗だったけれど大冒険ではあったのか?(だからといってやっぱり褒め称えることはできないのだけれども) 第2話にして「頼み人はオレだ」が出てきてしまい、さらに端金の仕事が出てきてしまった。そして、仕事の道具を整備したり仕事に赴く彼らの映像と共にあまりにもお馴染みの出陣のテーマが流れてしまい…… なかったのは「しっかりしろい」「このお金で仕事人に……」のシーンだけで、あとはもう「仕事人IV」「V」辺りの脚本をそのまま流用したのだとしてもおかしくないというか、別に涼次たちでなくて秀や勇次でも政や竜でも、登場する仕事人のメンツが誰でも全く何の変化もないドラマだっただろうと思われる、そんな話だったのだ…… なんのためにわざわざ「新生」させたのだろう。これなら、そうだ、これなら再放送でいい。なんの新しいものもないのなら、新生でなくていい。新生でないんだから、名前だけの新生でなんかなくていい。 そして、主水の存在はいったいなんなのだろう。中村主水が居る必要は何一つ無かった。 もちろん、主水が存在しなければ、渡辺小五郎とこう・ふくの家族はたちまち「あれは中村主水とせん・りつのパクリだ」と叩きまくられることだろう。中村主水の存在そのものが、その非難を最初から打ち消してくれている。そういう効能はあるだろう。だが、2つの家族の対照という観点の面白さ自体がない(なにしろ、せん・りつが出ない)以上、今の主水には存在の意味がない。 この第2話で唯一よかったのは、目黒祐樹演じる道場主だ。単純な悪役ではなく、不良息子を諫め懲らす役割を果たしながら、けれどその息子のためには平気で悪を為す。被害者と加害者が同じ基準―息子のため―ということで立場を逆とする。言い訳というよりも信念のように言葉を吐き、端的に「死ね」と言い捨てる。ここの演技はさすが松平聖二郎だった。 渡辺小五郎にセコ斬りされて「卑怯な……!」と咎めるところも役柄から生きたセリフだったと思う。ここで小五郎の返す言葉は、しかし、ありふれたものでしかなく、残念だった。ここだけは第1話の方がよかった点だ。 せん・りつに加えて、今回は谷村美月の如月が不登場。せん・りつはともかく、まだキャラクターも役割も何もかも確立していない如月は、きっちり登板させた方がよかったのではないか。 (おっぺ) |