項目名 | 殺人公開放送 |
読み | さつじんこうかいほうそう |
分類 | ミステリドラマ |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | ノベライズ版では、この教授が黒田の最後のトリック(苦し紛れの)だけは暴けず、テレビを観ていた古畑からの電話で謎解きを聴くという展開になっていた。古畑が安楽椅子探偵になっていて、これはこれで面白いのだが、つまりはノベライズは教授側に最後の視点が傾いている。テレビ版の、黒田の古畑への述懐がない。これは少しく残念だったように感じた。 私は超能力も幽霊も神様も、その存在を否定はしないし、あったほうが楽しいと思っている。本格ミステリが成り立ちにくくなるという弊害はあるけれど(笑)。 だから、黒田の述懐――昔は本当に――というのが、嘘でも自己欺瞞でも幻想でもなく、真実だったと……そういうささやかな夢に居残ってみて欲しい部分があったのだ。 けれど、黒田の述懐を冷たく突き放すラストで、そこに向けられる古畑の嘲らないいたわりも、嫌いでないのだ。 だから、やはり、ノベライズよりもテレビ版が好きなのだ。 何回か観ていて、やっと冒頭のフィルターの意味が解った鈍感な私(^^;)(おっぺ) |