語る「万華鏡」

(朱の絶筆)

朱の絶筆(しゅのぜっぴつ)

項目名朱の絶筆
読みしゅのぜっぴつ
分類ミステリ小説

作者
  • 鮎川哲也
  • 公的データ
  • 当代きっての人気作家篠崎輔が、軽井沢の山荘で絞殺された。残された絶筆原稿と、犯人が意図的に焼却したと思われる原稿の束が、犯行の動機と時間を暗示させる唯一のヒントであった。折しもその日、同宿者は九名。うち六人には明らかに輔殺害の動機があったものの、捜査は難航していた。やがて苦悩する捜査陣を嘲笑するかのように第二の殺人が……。この事件こそ、恐るべき連続殺人の序曲であった。大胆かつ緻密な構成と、圧巻の時間トリックで迫る本格ミステリーの傑作!
  • 感想文等
  • つい最近、光文社文庫から刊行された版は、なんともありがたいことに原型の「犯人当て中編」も収録されていて、読み比べるというほどの意識はなくても楽しみが倍増してくれている。根本のトリックやプロットに特段の異動はないので、長編化に際して何が付け加わり、どう工夫や補強がされているか、そこにまた面白さが見出だせもする。
    長編版では、冒頭で登場人物達が被害者になる男とどう関わってきたか、匿名さんでユーモラスに書かれ、犯人当て以外の楽しみも配置してくれている。
    そういったサービス精神等のおかげで、「りら荘事件」より読み易さはまさっているが、ミステリとしてのプロットは、やはり次点にはなるだろう。トランプやペンナイフの代わりに絶筆原稿と「鏡は横にひび割れて」がされているが、「ゴム紐」と言われても、それは分からない(笑)。そもそも、それって切れるのかな?(現状)
    名探偵星影龍三はとうとう解答マシーンにまでなってしまった(笑)。(おっぺ)
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