語る「万華鏡」

(冬のオペラ)

冬のオペラ(ふゆのおぺら)

項目名冬のオペラ
読みふゆのおぺら
分類ミステリ小説

作者
  • 北村薫(おっぺ)
  • 公的データ
  • 勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ガーデンのボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、新聞配達をしていた。名探偵といえども、事件がないときには働かなければ、食べていけないらしい。そんな彼の記録者に志願したわたしだったが…。真実が見えてしまう名探偵・巫弓彦と記録者であるわたしが出逢う哀しい三つの事件。(おっぺ)
  • 三角の水/蘭と韋駄天/冬のオペラ
  • 感想文等
  • もし、「秋の花」の前に「空飛ぶ馬」「夜の蝉」と経由する気力がないのなら、この「冬のオペラ」がいいかもしれない。。。

     これもミステリ仕立てだけれど。。。

     こんな辛いミステリはもしかしたら初めてかもしれなかった。。。

     そして、辛い分、自分が生きるためには。。。役立つのかも。。。しれないとも、、、、

     思った――。(おっぺ)
  • このシリーズ?だけはまだ1冊しか書かれていない。。。けれど、読み直してみて、ああ、そうだよね。。。と思った。。。
     「シリーズだから」という理由で続かなければいけない理由はない。。。
     縮小再生産ならば。。。
     まだまだ会っていたい主人公たちだけれども、、、(おっぺ)
  • 最後の中編、表題作の「冬のオペラ」、犯人の最後のつぶやき。。。「……こんな筈ではなかったのです。私、こんな生き方をする筈ではなかったのです
    」。。。
     。。。胸が痛くなってしまう。。。みんな、そうつぶやきながら生きているのだろうか。。。
     そして、「名探偵」巫弓彦は、ワトソン役の、「犯人は鬼になったと思うのか」という問いに対して遠くの石を見ながら言う。
     「思います」
     「先生!」
     「人を殺したからではない。かくありたかった、こんな筈ではなかったという思いに執着し、そこで足摺りをし、悶えたからです。そういう意味では、
    人は多くの場合、鬼になるのではありませんか」

     。。。鬼にもなるかもしれないし。。。臆病なくせに卑劣なネズミにも。。。なった。。。
     僕は知っている。(おっぺ)
  • ワトソン役は思う。「わたしも、内心多くの求めるものがある。それこそが夢である。夢がなければ生きられない。しかし、十年経った時、果たしてそのいくつを手にしていられることか。」

     そこであきらめて平穏に生きる人もいるし、あきらめずそして雄々しく生きる人もいる。
     そして、あきらめずというより、みじめに愚痴と共にすがりついてしまったなら。。。

     自分で自分の夢を侮辱しているのだ。

     夢を侮辱されて殺人を犯した犯人より、自分で自分の夢を侮辱することのほうが愚かしいことではないのか。(おっぺ)
  • こんな苦しいミステリはもしかすると初めてです。(おっぺ)
  • 鬼とまで行かなくても、下種になることは簡単なのだと知っている。すでになってしまったことがあるのだから、せめて、これからだけでもなしで済ませられればとは思う。。。(おっぺ)
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