語る「万華鏡」

(秋の花)

秋の花(あきのはな)

項目名秋の花
読みあきのはな
分類ミステリ小説

作者
  • 北村薫(おっぺ)
  • 公的データ
  • 「私」連作の「空飛ぶ馬」「夜の蝉」に続く第3冊目。
    絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の墜落死―親友を喪った心の利恵を案じ、ふたりの先輩である『私』は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんに打ち明けた日、利恵がいなくなった…。(おっぺ)
  • 感想文等
  • この本は、名前のわからない「私」というヒロインが連作で出てくるシリーズの1つなので。。。

     この「秋の花」という長編の前に、「空飛ぶ馬」「夜の蝉」という2冊の短編連作集があって。。。

     独立・・・していると言えば言えるのだけど、できたら、最初から順を追って読んだ方が、いいのかもしれない。。。

     ただ、ミステリ仕立てになっているので、(といっても、殺人事件とかが起きるわけではない。。。)ミステリなんてという人にとっては、取っつきにくいかもしれない。。。

     けれど、生きていく助けにはなるかもしれないので。。。この、「秋の花」も。。 、もう一度「スキップ」も読んでみないといけない。。。(おっぺ)
  • 最近は、以前ならふーん。。。ですませていたのに、泣いてしまう。。。 それはやはり自分のせいなのだと思う。。。

     「こういった現実の問題を考える時も、行き着くのが本のことになるのは私の弱さだろうか。そう思えば後ろめたい気もする。しかし、私は水を飲むように本を読む。水のない生は考えられないのだから仕方がない。」

     これは北村薫の「秋の花」。「空飛ぶ馬」「夜の蝉」と再読してきて、今はこれ。
     「夜の蝉」の「胡桃の中の鳥」のラスト、幼女の手が正ちゃんをひっかくところ、そして正ちゃんがごめんねごめんねと泣くところでまた泣いてしまう
    。。。以前は、なんでもなかったことなのに、。。。

     「秋の花」。利恵が、真理子のそのままにしてあった部屋で立ちすくんでいた。。。という科白の中の言葉で泣けてきてしまう。。。 外では読めない
    。。。

     佐々木丸美さんの本は絶対に外では読めない。。。必ずぼろぼろと泣いてしまうので。。。 北村薫でも泣けてきてしまうなんて、これでは本当に外で本が読めなくなる。。。

     「意志の子真理子」に「スキップ」で会えていたというのなら、もう一度「スキップ」も読んでみないといけない。。。(おっぺ)
  • シリーズ順に読んでいって…
  • 今読み返して、つらくて仕方がないのは、残された少女の感じる「拷問のようなつらさ」を知っているから。。。
    やはり、人は、自分を通してしか相手を感じることはできない。だから、諍い、憎みあい、怨んでしまうときもある。。。
    時には思い出したいと思う。「彼は、私ではないのだから」と。そして、、、、(おっぺ)
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