語る「万華鏡」

(五つの箱の死)

五つの箱の死(いつつのはこのし)

項目名五つの箱の死
読みいつつのはこのし
分類ミステリ小説

作者
  • カーター・ディクスン
  • 公的データ
  • ジョン・サンダース博士は朝の一時になってやっと研究室を閉めた。今週中に、ある毒殺事件のための報告書を作らなければならず、遅くまで顕微をのぞいていたのだ。
     小雨の降り始めた道を歩いてきた博士は、ふと、ある十八世紀風の赤煉瓦の家の前に、街灯の光を浴びて一人の若い女が立っているのに気がついた。短い茶のファー・コートを着て、襟を首巻のように立てていた女は、いきなりサンダース博士を呼び止め、雲をつかむような話を始めた。そして、この不思議な女に請われるまま、ある家の内部に入った博士が目にしたものとは……煌々たる灯りの下で四人の人間がテーブルに向かっていたが、そのうち三人は毒か薬のために意識不明、残る一人は細長い刀で背中を刺されてすでに事切れていた!
     不可能犯罪の巨匠カーター・ディクスンが、ヘンリー・メリヴェール卿を主人公に贈る本格物の力作。
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