語る「万華鏡」

(衆楽苑)

衆楽苑(しゅうらくえん)

項目名衆楽苑
読みしゅうらくえん
分類コミック

作者
  • 小山田いく(おっぺ)
  • 公的データ
  • 第 1 話 赤い爪
    第 2 話 歴史
    第 3 話 再会
    第 4 話 約束の日
    第 5 話 お父ちゃんのカサ
    第 6 話 1500万円の指輪
    第 7 話 大グソたれた熊
    第 8 話 雑炊
    第 9 話 FORTUNE
    第10話
    第11話 永い旅
    第12話 墨塗りの壁
    第13話 さめないうちに
    第14話 無銭飲食
    第15話 秋の空
    第16話 ここで生まれて
    第17話 たぬきときつね
    第18話 故風味
    第19話 もしも
    第20話 同級生
    第21話 アイスクリーム
    第22話 雪見酒
    第23話 北へ帰る子
    第24話 いつかまたあの店で
  • 感想文等
  • 先んじて「迷い家ステーション」を読んでいたので、、、というのか、必ずしも特定の主人公がいないで、「場所」を基点としての連作シリーズという形態に、戸惑うことなく読んでいけた。
     小山田いく作品では、これまでたいてい、個性的な主人公とその仲間たち、というタイプで進んでいたはずなので、「迷い家ステーション」では戸惑ってしまったところがあるかもしれない。あまり個性らしい個性というもののない主人公たちと、地味なエピソードたち。
     「すくらっぷブック」の晴ボン、「ぶるうピーター」の一帆、あるいは「ウッド・ノート」の唐須といった、物語の牽引役たる主人公が存在しないで、淡々と進んでいく物語。
     「星のローカス」の場合は、二木聡は物語の牽引役という勢いは持たなかった代わりに、作品のテーマ性をよく体現した「迷い」のキャラとして生きていた。「迷い家ステーション」にはそういう意味での主人公もいなかった。
     あくまで、「迷い家」というローカル駅を舞台とした、一話完結の独立ストーリーのような作品だったのだ。
     この「衆楽苑」は、それが更に突き詰めたものになっている。大衆レストラン『衆楽苑』を舞台、あるいは狂言回しのようにした連作たちだが、このレストランの従業員たちは、「迷い家」のキャラクターたちより更に「背景」でしかない。
     主人公は、あくまで、毎回のエピソードのそれぞれの登場人物たちなのだ。
     だから、小山田いくも、一話一話好きなテーマで好きなスタイルで描いているのではなかったろうか。
     地味な連作集だが、やはり気に入ってくる。
     特に、第4話、「約束の日」。こういうタイプの物語は、典型ではあるし、「どこかにありそうだ、知っている」ではあるが、やはり。

     第3集は、未刊行のままで、そして、刊行の予定もたっていないらしい。どうしていつもこんななのかな。(おっぺ)
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