項目名 | 東亰異聞 |
読み | とうけいいぶん |
分類 | ミステリ小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | 最初、十二国記とかの人だし、伝奇物だと思って読み始めたのだけど、途中、何気なく解説を拾い読みすると、「本格ミステリー宣言」の問題提起に最も鋭く答えた作品、とか書いてある。さては、伝奇小説のスタイルだけど、実は本格ミステリであったか。。。とか思いながら読み進める。 なるほど、化け物と思われた火炎魔人やら闇御前やら、どうやら人間。。。ならば、これはやはり伝奇ホラーではなく、本格ミステリ。。。 そして読み進めて思うのは、この「ミステリ」は、坂口安吾だか福永武彦だか、それとも他の人だったか忘れたのだけど、『読み終わってみたら、登場人物たちはそれぞれの役割を割り振られただけ』、などではないなあ。。。と。 佐吉という登場人物が殺されたときは、普通、ミステリを読んでいるときは感じなかった「嗚呼」というものを感じたし。 そして、ミステリとしてのクライマックス、ワトソンと思っていた人物が実はホームズであり、ホームズと目されていた人物がワトソンだったという趣向。 いささか、犯人「たち」が、そのキャラクターからいって、無関係の人たちを殺していったというのが解せないのだけど。。。 そして、さらにどんでん返し。やはりこれは伝奇物と思わせて実は本格ミステリ、と思わせて、やはり伝奇物。 ワトソンと思っていた人物が実はホームズであり、そして、そのホームズこそが真犯人であった、という二つ表のどんでん返し。 思わず、最初からバラバラバラと、この「真犯人」の内面描写、心理描写、視点の在処を確認して読み返してしまったよ。一部、化け物にしてはあり得ないかと思われる内面描写に気が付いたけれど、これは或いは視点の混乱かもしれない。 思い返せば、冒頭のエピソードの積み重ね部分、不可思議な構造だなと思い、それはこの黒衣の人形遣いの超能力のためかと思っていたけれど、実は、真犯人を示す伏線としての役割だったのか。 十二国記が面白かったので手を伸ばした本だけれど、予想外に驚かせてもらえて楽しめた。小野不由美の他のシリーズも読んでみよう(^^)。(おっぺ) ・これもSF? ・あの結末は謎です。 ・ミステリとしてもすごかった。 |