項目名 | しあわせは子猫のかたち |
読み | しあわせはこねこのかたち |
分類 | SF小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | 筋立ては違うけれど、語っているものが同じようでありすぎて、けれどもちろん、こうしたタイプの物語はいくらでもその昔からあるにはあるに違いない。 この「しあわせは子猫のかたち」の弱点は、子猫(「子猫」ではなくなっていたことが、犯人を指摘する1つの材料になっていたけれど)までもが幽霊になれてしまったということだと思う。ヒロインが幽霊であることはいい、けれど、幽霊になるということ、幽霊がいるということがそんなに普遍的なものではない世界の話である以上、そうそう簡単に幽霊が出現できてしまっては困る。もしそれが可能であるのなら、犯人に殺されたという男もしっかり幽霊になれていなければならないだろう。 ヒロインと、猫だけがこうすんなり幽霊になれたということならば、その原因・理由というものがなければならないはずだが、それは語られていない。語られる必要はない物語なのだけれど、物語の整合性という点から言えば弱点になってしまっていることは否めない。 この「原因・理由」が語られることが、さらにこの物語を深く感動的にすることが可能だったとしたら、この作品はさらに作品としてすばらしいものになれたと思う。語られる必要のないらしい「原因・理由」でしかなかったので語られなかったとすれば、その「しかなかった」という点で、やはりこれが弱点になってしまうだろう。 と、偉そうに書いているのだけれど、そんなことは、今これを書きながら、自分が書いた物語のことを思い出しながら考えたことなので、読んでいたときは、どうしてこの子猫までが・・・とは思いながら、それ以上にはあれこれ考えたわけではなかった。 それよりも、ラスト、主人公が叫ぶ言葉たちがつらかったので。。。 もうひとつの弱点、というか、自分にとってはこうあって欲しかった、という勝手な願望、要望としては。。。 最後の最後、まだまだこの主人公には、簡単には向日的にはなってほしくない。簡単に、カーテンを開けようとはなってほしくはない。 もしかしたら、少しくらいなら、カーテンを開けてみてもいいかもしれない。。。 そのくらいの。。。 なぜって。。。(おっぺ) ・おぼえている。。。 |