項目名 | 替え玉お見合い騒動 |
読み | かえだまおみあいそうどう |
分類 | 必殺シリーズ |
作者 | |
公的データ | 由緒正しき旗本の一人息子、これがマザコンで乱暴者。次々に腰元をひどい目に合わせ、死んだ女もいるという噂。そんな屋敷にお玉さんが入ったきり帰って来ないのです。 脚本:吉田剛 監督:水川淳三 【キャスト】 中村主水/藤田まこと 鍛冶屋の政/村上弘明 お玉/かとうかずこ 絵馬坊主の蝶丸/桂朝丸 堀田浪江/二宮さよ子 かげろうの影太郎/三浦友和 Jane.(sweeta-mh) |
感想文等 | これは。。。佳作ではないか。 タイトルはいったい何だったのだ。。。? 少なくとも、自分としては、激闘編2話の保利吉紀脚本の同趣向作品より唸りながら見ましたわ。 たぶん、本放送の時にも見ていたはずなんですが、そのときはあんまり感じるものはなかったんでしょうかね、録画してなかったというのは。 まず、前半部での影太郎の科白の部分がよい。「哀れなのではない。強い母だ。。。そして愚かな母でもある。息子を人でなしにした。。。しかし、私はそんなあなたがいじらしい、可愛い」。 こういう科白は、「新・仕事」以来、ちょっと耳にすることが難しくなっていたもので。というのは、秀・勇次・政・竜、あるいは非主水ものの仕事師たちにしても、たいていキャラクターが定まってきてしまって、どのキャラも同じような場面では同じようなことを喋ることが多くなっていたもので。 この科白は、まさしく影太郎だからこそ出てきたものだし、影太郎にしか言えない科白であり、、、こういうのを、キャラクターの存在価値という言い方もできるかもしれないとさえ、私なんかは思うものであります。そういえば、冒頭、主水に向かって「しーっ」ってやるとこなんかも、影太郎ならではだなあ。 相手役の二宮さよ子は、先述の激闘編2話での母親役のようにあくまで「正」の側に止まっているのではなくて、むしろ冒頭ではどう見てもただ「邪」の方なのが、影太郎と絡む中で変わってきてしまう。この「揺れ」があるものだから、いささか無理がありながらも、ラストシーンで影太郎を刺せずにくずおれてしまうとこが納得できるギリギリのところで踏みとどまれている。 激闘編2話も保利脚本の段階では、我が子の邪を見かねて仕置きを依頼した母が、土壇場でやはりわが子を思って仕事人たちを裏切ろうとした。。。という「揺れ」が予定されていたようなのだけど、実際の映像作品では「正」のまま終わっている。その分、この風雲編の母の「揺れ」の方が唸り甲斐はあったなあ。 あ。仕業人4話と比べてはいけません(爆)。あれはまるで別の話です(笑)。 「アジト」の場面、お玉が捕まってるもんだから、そして絵馬坊主の蝶丸は仕置屋のおこう同様金の受け渡し場面にしか基本的に出てこないから(この蝶丸も、もっと風雲編の話数があって、彼を中心に据えたエピソードの1つでも出てくれば、また記憶に残るキャラクターになれたかもしれない。。。)、主水・政・影太郎の3人だけで余分な話もなくキビキビしている。 そして、アジトを離れるときの主水の「おまえ、本当のあの女をやれるのか」という科白をなんと裏付けて、仕置きを遂行しないで仲間たちのところに戻ってきてしまう影太郎。それも、苦しみとか悩みとかもないように、確信犯としか思えない平然としたいつもの調子で戻ってきてしまうのだからすごい(笑)。 そして、ファースト仕事人までの緊迫感は得られないものの、刀を抜きはなって進んでいく主水と、、、「もう死んでるぜ」。 仕事人6話「主水は葵の紋を斬れるか?」の時ほどの苦さは望めないけれども、少なくとも「仕事人III」以来これだけ凛々しい(?)仕事人たちは見られなかった気がするので、やはり佳作だよなあ。。。と思う。 最後の中村家漫才もこれだけのものを見せてもらったあとなら、少し許そう(笑)。確か、せんりつもこの部分でしか出てこなかったような。。。 吉田剛脚本。 うむ。 立派ではないか。(おっぺ) Jane.(sweeta-mh) |