感想文等 | 良い小説としての感想は横にして、とにかく今日は「ミステリ」としての感想をドン!と書いてみようと思う。なぜなら、。。。
。。。これは驚いた!
正直、最初の第1話を読んだとき、ああ、山本周五郎だなー、、、なんて思った。。。
でも、周五郎ならこうは書かないなーとも。。。
で、続いて第2話を読み始めたとき、あ、なんだ連作なんだ、とか迂闊にもあらためて思った。連作のつもりで読み始めたくせに、第1話があまりにきっちり出来上がっていたと読めたので、何となく、1話完結の短編集のようなつもりになってしまっていたのだった。
今考えると、これこそ全く、作者の術中に陥っていたと言えて。
第2話、第3話と読み進めていくうちに、少し浮かんできた疑問(というほど大きなものではなかった)があって、それは、「どうして、第1話だけ、『お徳』視点だったんだろう」というもので、だからといって別段それ以上追及しようというようなものでもなかった。
それが。。。 短い話たちが終わっていき、そして、なんだかやたら長いパート「長い影」が始まって、読み進んでいったとき。。。
なんてこったい。。。
これは。。。
してやられた。
創元推理ハードカバーかい!
いくつか存在していた「なぜ」が氷解するとともに、かつて宮部作品のいくつかで味わわされた。。。あの。。。「片葉の葦」が。。。
それはあまりにつらいものではあったけれど。。。
そして、だから、この作品は、よい時代小説であり、見事な本格ミステリであり、とにかく、読まされごたえのある小説だったのだった。。。(おっぺ)
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