語る「万華鏡」

(「殺しの双曲線」の一部削除)

殺しの双曲線(ころしのそうきょくせん)

項目名殺しの双曲線
読みころしのそうきょくせん
分類ミステリ小説

作者
  • 西村京太郎(小林和彦)
  • 公的データ
  • 差出人不明で、東北の山荘への招待状が6名の男女に届けられた。彼らは半信半疑で出かけて行く。雪に埋もれ、幸福感に酔っていた彼らはやがて恐怖のどん底に突き落とされた。殺人が発生したのだ。しかも順々に……。名作、アガサ・クリスティそして誰もいなくなった」に、異色の様式で挑戦する本格推理長篇。(小林和彦)
  • 感想文等
  • トラベルミステリーを手がける前の、いわゆる社会派と称されるであろう作品を
    手がけていた西村京太郎は好きです。トラベルミステリーがつまらない、というん
    じゃなくて肌が合わないんだな(^^;

     僕は講談社文庫のAX(国内推理・SF)シリーズを集めているので、殆どはこ
    のAXで読みました。「殺しの双曲線」のラストは切ないですね。日下部ユカの作
    文はどんなものだったのでしょう。
     「脱出」「D機関情報」といったサスペンス的な作品も好きですが、「四つの終
    止符」「天使の痕」には学生時代、衝撃を受けました。僕自身が教育大学で養護
    学校教員養成課程を専攻していたこともあります。「殺しの双曲線」も含めてこれ
    らの作品を読んでしまうと、ひと頃新本格の作品が「人物が書けていない」という
    評は、あながち間違いではないと思います。非常にこみ入った謎を鮮やかに解きほ
    ぐしはしますが、その小説としての薄っぺらいこと・・・・(小林和彦)
  • >  僕は講談社文庫のAX(国内推理・SF)シリーズを集めているので、殆どはこ
    > のAXで読みました。「殺しの双曲線」のラストは切ないですね。日下部ユカの作
    > 文はどんなものだったのでしょう。

     高校時代読んだときは、なんて大甘なラストだ、とか思ったんですね(^^;) もっと論理を駆使してぐうの音も出ないとこまで追いつめろーとか(笑) でも、それは実につまらんラストだと今や(笑)(おっぺ)
  • 現物が手元にないので正確ではないのですが、なかなか読みでのあるミステリ評論【大井広介「紙上殺人現場」だったかな、著者とタイトル。。。('_`)ウゥ、記憶が(^^;)】の中では、この西村初期作品すら薄っぺらさを指摘されていたような(笑) 佐野洋都筑道夫だといった人々まできっちり俎上に上げられていて、しかも読んでて、うむうむなるほどと思ってしまう希有な評論(笑)だったので、となれば、島田綾辻我孫子から麻耶清涼院その他、どんな風に評されていたことだろうかしら。。。(^^;)(おっぺ)
  • 私もトラベルミステリになってからの西村さんの作品は基本的に読んでないのです(^^;)
     「ハイビスカス殺人事件」みたいな、【もう一つ、対になってるの在ったな。。。(-.-;)y-~~~、思い出せない(^^;)】アイヌとかに絡んだ話はなんだか記憶に残ってます。(おっぺ)
  • 「雪の山荘」ものとして、これは傑作と言っていいと思う。。。
     あるいは同時にまた、「そして誰もいなくなった」ものとしても。
     これは、何しろ1ページ目に堂々と宣言して書いてあるので、ここに記してもいいと思うのだが、この推理小説はメイントリックに、「双子」を利用している。
     そのことを宣言した上で、このトリック。
     そして。
     そのトリックの必然性。トリックのためのトリックではなくて、どうしてもこのトリックの必要があったわけだ。
     そしてまた。
     このエンディング。
     「だが、心理的にはどうだろう。。。」、という食い下がりが。。。
     数年ぶりに再読したのだけど、以前はトリック部分、ミステリ部分がアガサ・クリスティそして誰もいなくなった」との比較の意味もあって面白く感じられていたのだけど、今回はやはりというかなんというか、特にエンディング部分に魅かれてしまう私なのだった。。。(おっぺ)
  • このトリックには驚いた。そして、せつないラスト。
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