公的データ | 短編。 八雲真利子は妖婦そのものの女だった。 彼女の美しさに見せられ、その周りに集まる男たちは、富も情熱も全て吸い尽くされ、次々に捨てられていった。 真利子が大勢の男たちを従えて、愛人の経営するホテルを訪れた時のことだった。 ホテルに一つのトランクが届けられたのだ。 中には彼女に生き映しの蝋人形が一体入っていた。 その左胸には短刀が深々とつきささり、鮮血をしたたらせながら・・・・・・。 これは彼女の犠牲者による復讐の前ぶれか。 しかも宿泊名簿には、彼女に翻弄され命を断った京極子爵の弟の名があった。 綿密に計画された密室殺人に名探偵神津恭介が挑む傑作ミステリー。(おっぺ)
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