感想文等 | この話は、いわば『コメディ編』のはしりのようなもので、犯人幡随院が計画の狂いで周章狼狽するさま、果ては最後に古畑が仕掛けたトリックにはまり込み、今泉の服装に気が触れたような顔になるシーンなど、完全にギャグとして演出されている。 これがたとえば鶴瓶ではなく、極端な話山崎努が渋く演じていたとしたら、話の印象はまるで異なっていただろう。だが、ミステリとしての骨格が弱いのだから、このコメディ路線は正解だったかもしれない。ああ、今回はコメディ・ミステリなんだなと、あまり意地悪く観ないで済む(^^;)(毎回こうだと怒ります(笑)) ファックスに関しての知識やらが不完全だったりしたのが、最もミステリとして失敗しているところだった。それを踏まえたということで、三谷幸喜自身がノベライズし、語り直している。なるほど、ミステリとしては出来が良く変えられている。 けれども、『面白い』のはどちらなのかと比較すれば、やはり映像版のほうなのだ。三谷幸喜のノベライズは、小説として読んだとき、文章などもなかなか面白くて決して悪くないのだが、映像のインパクトには及ばない。 それは、本家たるコロンボのノベライズと同じなのだ。(おっぺ)
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