感想文等 | 今回は『オリエント急行』ではないが、電車の中のみ(少し乗り込むまでのゴタゴタはあり)が舞台。こうした設定が本格度が上がって楽しいのだ。 犯人は、なんでも脚本家三谷幸喜氏の別作品『振り向けば奴がいる』なるテレビシリーズのレギュラー・キャラクターらしい。自分の別作品から犯人を持ってくるというのは、数あるミステリ作家たちの誰も試みたことはないのではないか。こうした遊び心も本格度が上がって楽しいのだ。(私は『振り向けば奴がいる』を知らなかったので、少し楽しみ損ねているのである) 古畑の炯眼が細かくあちこちで発揮され、観ていてミステリとして楽しいし、コロンボ的な犯人への仕掛けも面白い。傑作とまでは行かないが、佳作には違いない一編だろう。(おっぺ)
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