感想文等 | 「青ルパン」の中で、パイカルと並んで印象に残った敵役が、ここに登場した魔毛狂介。 マモーという名の敵役が、のちの映画「ルパン対複製人間」で出てきた時は、「魔毛?」と思ったのだけど、全く関係はない人だった(笑)。 魔毛狂介は、自分の一族がルパン十三世によって絶滅に追い込まれたことを恨んで、タイムマシンを使って祖先のルパンを殺しに来たらしい。ルパン三世が死ねば以降のルパン一族は存在せず、魔毛一族は無事だという。 狂介のヘンなところは、そう言ってルパン三世に挑戦してきながら、三世は手強いのでさらに祖先を殺すことで三世を消滅させると宣言する辺りだ。じゃあ、何もわざわざ三世にそんな宣言しなくても、最初からアルセーヌ・ルパン以前の一般市民ルパンを殺しに行けばよかったんじゃないのか?(笑)。わざわざ三世の前に姿を見せる必要はかけらもない。まあ、ルパン一族の中でも最強のルパン三世に挑戦して勝利するという栄光に包まれたかったのかもしれない……ちなみに偉大なるアルセーヌ・ルパンには、挑戦したくてもできなかったのかもしれない。狂介は日本語しか駆使できなかったのかもしれない。 このエピソードは真面目なタイムパラドックス物のSFだと思うとおかしな処だらけなので、何もかもを「そういう設定なんだ」と丸呑みして楽しむ必要がある。落語を楽しむ要領だね。 さすがのルパンも、真っ向勝負では魔毛狂介には手も足も出なかった。そんなとき、いつもルパンは相手の力を上回る知恵を出してきた。その頭脳がルパンの最大の魅力の一つだった(最大の魅力はあと二つ三つあるので、最最大決定戦が必要だ)。 魔毛狂介は、白乾児と並んで、青ルパンでの忘れられない敵キャラなのだが、タイムマシンがなければただのおマヌケなので、キャラクターそのものとしてはパイカルには遠く及ばない。尤も、そのおマヌケ加減が可愛いと言えば言える(笑)。(おっぺ)
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