感想文等 | 「永遠の生命は寧ろ哀しい」といったテーマは、SFでは度々語られるところだ。 不老不死の能力、機械の身体、そういった様々な「永遠」が提示され、そして「限りあるからこそ」尊いのだ、との結論が出される。これがパターンになっているようだ。 この「永遠の生命の怪」も、そのパターンに他ならないのだが、彷徨えるアルファの乗員達には、不老不死そのものよりも、安住の地という魅力が大きかっただろう。 理屈では説明できない不審感から惑星移住をためらうコーニッグは孤立し、カーターやヘレナ、バーグマン教授さえも彼に不満を露わにする。観ていて、まるでエイリアンにコーニッグ以外が支配されたのかと感じるほどだったが……しかし、誰もが決して操られているわけでも、正気を失っているわけでもないのだ。その相互理解の出来無さ加減は第1シーズンの特色のような気もする。 そして、エピソードによっては、コーニッグの方こそが間違っているケースもあるのだ! こうした、いわば複雑な部分が、まだ「新スタートレック」などなかった頃なので、「宇宙大作戦」より、この「スペース1999」の方がアダルトで面白いと感じさせていたかと思う。(おっぺ)
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