感想文等 | 物語自体にはさほど感銘も受けなかったのに、ひどく印象に残ったエピソードがある。それがこのラプソディのエピソードだ。 ラプソディはバイオリンの名手と産まれた音楽ロボットだ。しかし、皇帝ゴッドネロスの思惑があり、戦闘ロボットに改造されてメタルダーに挑む。メタルダーの基となった人間がやはりバイオリンを愛しており、ラプソディの奏でる名曲に反応する。その隙を突いてメタルダーを破壊せよというのだ。 音楽を通して、ラプソディとメタルダーは仲間意識のようなものを通わせる。しかし、皇帝の命には逆らえず、戦闘ロボットとなったラプソディはメタルダーを襲い、2体のロボットの哀しい戦いとなる。怒りや悲哀を感じながら、メタルダーはラプソディを倒した――。 よくあるタイプのストーリーだ。だから、さほど感銘も受けなかった……のだ。 破壊されたラプソディは、メタルダーの去ったあと、ネロス基地に回収される。資源は無駄にしないネロス帝国である。そして、そのシーンからは、ただナレーションだけが短く流れたのだ。 「ラプソディは、元の音楽ロボットに改造し直されてネロス帝国に戻った。」 ひっそりと壁際に持たれ込んでいるラプソディの姿。通り過ぎる戦闘ロボットに小突かれ、倒されたりしている。 一転して、バイオリンを弾いている人間体のメタルダーが映る。ラプソディを偲んで奏でているのか……? ナレーションが言った――。 「ラプソディが生きていることを、メタルダーは知らない……」。 ここで、それ以上のなにもなく、そのまま物語は終わる。 だから何だ?、と思われるかもしれない。ただ、実際に映像を観ていた時、この最後のナレーションと幕切れに、胸が疼いたものなのだ。 終わりよければ、と言われることではある。途中での感動も不満も、幕切れがどう描かれるかで大逆転ともなる。 「メタルダー」という番組自体は、やがて路線変更を迫られ、迎えた結末も、評価が二分されていくのだが……(おっぺ)
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