感想文等 | ヒーロー映画としてスタンダードに、しかし、エキサイティングによく出来上がった佳品だと思う。 すでにテレビシリーズで無敵のスーパーロボットとして評価を確立しているマジンガーZ。そのZの前に現れる新しい未知の軍団。いきなり、この新たな敵にマジンガーZが手も足も出ないというのでは、ただ屈辱的なだけだが、この映画では、しっかり新たな敵戦闘獣に対しても十分に戦い倒す強いマジンガーの姿がまず描かれ、しかし、多勢に無勢の中、主人公の操縦者兜甲児は負傷し、そしてZも次第に傷つき戦闘力を失っていく…… ここでのマジンガーZ、そして兜甲児は決して惨めな敗北者ではなく、最後の最後まで誇りを捨てず戦い続けた雄々しい勇者そのものだった。 救援に現れたグレートマジンガーも、その強さで感嘆させてくれながら、しかしあくまでマジンガーZの援護者という立場にあり、「マジンガーZはダメ、もうグレートの時代」みたいな尊大な位置になることがなかった。 あくまで主役はマジンガーZ、そして兜甲児。彼らのヒーロー性をしっかり描ききった傑作ヒーロー映画だったのだ。 強いて言えば、グレートの搭乗者剣鉄也の声が、実際のテレビシリーズでのキャストと違っていたことが残念か。でも、この段階で野田圭一のクールな声はちと冷たく響きすぎるものだったかも。前作「マジンガーZ対デビルマン」で共演したデビルマン・不動明がここで剣鉄也を演じていたのも、たぶんそうしたいろいろからの意図的なキャスティングだったんだろうなあ……(おっぺ)
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