語る「万華鏡」

(「忘られぬ死」の一部削除)

忘られぬ死(わすれられぬし)

項目名忘られぬ死
読みわすれられぬし
分類ミステリ小説

作者
  • アガサ・クリスティ
  • 公的データ
  • フロアショーのライトが消え、ふたたび明るくなったとき、ローズマリーは死んでいた─誰からも愛されていたローズマリーが、自分の誕生パーティーの席上で突如毒をあおって世を去ってから、やがて一年が過ぎようとしていた。
     が、夫のジョージは疑惑をぬぐいきれなかった。
     万霊節の夜、同じ場所、同じメンバーによるパーティをー催したが、そこで新たな悲劇が! 鮮やかなトリックが冴える女史中期の作。
  • 感想文等
  • 前半が非常に面白かった。このままなら、これは保存版だ……という感じだったのだが、後半、「捜査」が中心になり、一気に魅力が減じた。捜査官たちの魅力がどうこうというより、前半のままに事件の渦中にあるキャラクターたちの感情を読んでいきたかったのだ。
    その点では、同時期に発表されていたらしい「ホロー荘の殺人」のほうがよかったように覚えているのだが、それとも、それは「ホロー荘……」の探偵役がポアロだったためだろうか。クリスティ本人は、「ポアロを出すんじゃなかった、邪魔だった」という意味の反省をしていたようだが……
    時代をパソコンとケータイのある現代に移した映像版を観たが、こちらは回想の殺人ではなく、さらに探偵役が最初から出ずっぱりで、さらにキャラクターたちの性格も全然違うという、まるで日本の2時間サスペンスのような出来で、悲しかった。トリックを観たいんじゃなくて、このキャラクターたちの物語を観たかったのになあ。(おっぺ)
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