公的データ | 何者かが鍵のかかった部屋に入り込み、家宝〈騎士の盃〉を動かしている─ブレイス卿夫人の妙な訴えに、マスターズ警部は現地に赴いた。 内心、近くに住むメリヴェール卿を頼みにしていたが、卿は歌の練習に余念がない。 仕方なく、自ら問題の部屋に泊まり込んだ夜、この警視庁の鬼警部は何者かに殴られて失神してしまった。事ここに至り、卿がようやく捜査に本腰を入れだした。 が、ドアを通り抜け、宝物を盗みもせず動かすだけという奇妙な人物の真意は何か? 著者が得意の密室犯罪をユーモラスに描く、メリヴェール卿最後の長編!
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