感想文等 | 映画監督とその弟が映画の中に入り込んでしまう、しかもその映画は彼ら兄弟の子供時代を描いたもので――という話なのだが、そういうメタな話のためか、やたらメタなギャグが投入されていて、特に上川隆也が担当して思いきり連発させていた。 私もかなりキャラメルボックスのお芝居を見たり、役者さん達について知ったり、詳しくなっているので面白かったが、そうでなければ何が笑えているのか解らず、置いてきぼりだったかもしれない。 ラスト近く、本を読んでいる間は1人ぼっちでないから、という少しく淋しいようなセリフがあった。 本を読むというのは、決して友達や仲間がいないことの埋め草ではない。現実逃避でもない。どんなに大勢の仲間や楽しい人生に恵まれている人でも、本を読む。そして、また別の人生や人格を生きる。 けれど、本はいつも1人で読むものだ。テレビや映画は誰かと一緒に観賞し没入できても、本だけは違う。たとえ同じ本を一緒に読んでいても、肩を寄せ合ってでも、本は読んでいる間、いつもその人を1人にしている。 淋しいことではない。けれども――。 なんとなく、なにかしら、心に降ってくるものがあった。それは……(おっぺ)
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