感想文等 | データは「人間でない」存在なので、彼がメインとなるエピソードは自ずと「人間とは何か」「ロボットが意思を持ったとすれば、人間と何が違うのか」「魂とは」「生命とは」というSFらしい命題が浮かび上がってくる。 とはいえ、いつもいつもそんなわけでもなく、たとえばこの「記憶喪失のアンドロイド」はむしろ「心優しき異能の人」タイプの物語だろう。必ずしもアンドロイド・データでなくとも、他の「異能者」が主人公でも、決して成り立たない話ではない。 だが、後半、人造皮膚を傷つけられてキカイダーのような顔を見せたデータは、やはり他の異能者たちとも一線を画してしまう哀愁めいたものを感じさせる。 並行する形でトロイの昇進試験への挑戦が描かれるが、これはどうも邪魔に感じられてしまう。一時間ものドラマではままある並行手法だが、こうまで互いにリンクのないエピソードが並んでいるのは物語への没入を疎外しているだけの気はする……(おっぺ)
|