語る「万華鏡」

(「きみにしか聞こえない CALLING YOU」の一部削除)

きみにしか聞こえない CALLING YOU(きみにしかきこえないこーりんぐゆー)

項目名きみにしか聞こえない CALLING YOU
読みきみにしかきこえないこーりんぐゆー
分類SF小説

作者
  • 乙一(おっぺ)
  • 公的データ
  • 私にはケイタイがない。友達が、いないから。でも本当は憧れてる。いつも友達とつながっている、幸福なクラスメイトたちに。「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日、とりとめなく空想をめぐらせていた、その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…。(「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切りとる"切なさの達人"乙一
    「CALLING YOU」、「傷――KIZ/KIDS――」、「華歌」収録(おっぺ)
  • 感想文等
  • まず、「あとがき」から読んだのだけど、その結果、まず悪い印象を抱いてしまった。ちょっとあくどいジョークじゃないか、という部分があったのがその原因。ジョークと言えないよ、これは。。。という感じで。
     私もヒトのことは決して、絶対に、言えないのだけれど、冗談のつもりが無神経な言葉の凶器になるというときはあるもので、それをふと想ってしまったので、これは、作品に入れないかもなあ。。。と思いながら読むことになってしまった。
     なってしまったのだけど、そんなことは関係なく、やはり作品に入り込んでしまった。(おっぺ)
  • あらすじ紹介欄では「表題作」となっているけれども、目次その他では「きみにしか聞こえない」という表題ではなく、「Calling You」とのみ書いてある。してみると、もしかすると、「きみにしか聞こえない」というのは、収録された三編の『通しタイトル』、もしくは『テーマ』と思うべき、あるいは、思ってもいい、ものなのかもしれない。もしかしたら。
     この「Calling You」は、またひとつの、「時をかける少女」の物語だ。いや、かけてはいないのだけれど、「時」をテーマとした物語だ。いつもの、よくある、あれ。だけれども、よくある分際で、なぜかいつもキリキリさせてくれる、あの。
     この物語は、なんだかすごく、映像化してみたくなってしまう。アニメではなく、大林宣彦調の、つまり、あの原田知世の時かけのときのような。そんな感じで。クライマックスの、「事故」の瞬間に向けて、少年と少女が近づいていく、その部分を、この小説のように「現在」の視点だけではなくて、「現在」と、「その時」の、両方を画面でカットバックでも何でもいいけれど、視てみたい!
     「……違う!」「あれはきみじゃない」
     。。。どうしてこんなに、キリキリくるのだろう。。。(おっぺ)
  • さて、3つの物語を読み終わってから、もう一度あとがき。やっぱり、これは無神経は無神経だと思う。若さからくる無神経なんだろうと思う。
     けれど、特に、3つ目の物語を読んだあと読むと、また少しは違うのかなという気もしはするのだけれど、それはまたあざとい読み方なのかもしれない。

     これからもきっと、読むだろう。(おっぺ)
  • 本岡家さんも乙一を読むんですね。
    僕も結構好きです。

    やっぱ、読書傾向が似てるなあ。
    CALLING OUは、いい話です。
    僕は好きな話だし、この短編集の三作は、
    受け取る人によるんでしょうが、僕は拒否反応はなかったなあ。(ふなちゃん)
  • 最初の短編集を読んだ頃は、そんなでもなかったんですが、2冊目に読んだ「石の目」の中の「BLUE」がよかったので、あとのも読んでみました。文体的なものに慣れてくると、だんだん好きになってきたみたいです(笑)。
    おセンチと言えばおセンチなんでしょうが、それをネガティブに捉える理由も必要も感じないですね(笑)。(おっぺ)
  • まあ、具体的には、命を落とした人がいたかも云々のトコロなんですけどね(^^;)
    現実にたまにでもあり得ることなので、まるであり得ないギャグであるかのような言い方になっているとちょっと引いちゃったのでした(^^;)。(おっぺ)
  • これもSF?
    ・「時」の物語の仲間だと思うんだ。
  • CDドラマになっていたので、購入して聞いてみた。作者本人が脚本化していて、だから、もしそうでなければ余分な付け足しと感じるところがあっても「まあ待て待て」と自分に警告を発しながら聞いていた。
    ここで私は莫迦だからいつものようにポカをやった。チャプターが一部ランダム再生になってしまったのだ。そして――けれど――
    それが、別の効果を私に及ぼした。。。これは、どう表現すればいいのか、わからない。この偶然は。。。
     そして、私は今、聞き終わったばかりの物語をもう一度聞き返し始めながらこれを書いている。
     あのランダム再生は、世界でただ一人、私にしか聞こえない、そんなドラマだったのだけれども。。。
     いつでも私はそんな小さな出会いに勝手に啓示を求めている。それは。。。(おっぺ)
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