語る「万華鏡」

(「秋風二人旅(「必殺仕掛人」第12話)」の一部削除)

秋風二人旅(「必殺仕掛人」第12話)(しゅうふうににんたび)

項目名秋風二人旅(「必殺仕掛人」第12話)
読みしゅうふうににんたび
分類時代劇ドラマ

作者
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  • 公的データ
  • 必殺シリーズ第1作「必殺仕掛人」第12話。
    京に乗り込んだ仕掛人に待っていたものは、瓜ふたつの兄と弟。その上この兄弟を20年前の仇と狙う男が現われた。はたして、この仕掛けは?
    脚本:安倍徹郎  監督:三隅研次
    【キャスト】
    藤枝梅安/緒方拳 西村左内/林与一 彦造/小林昭二 井坂惣市/天知茂(おっぺ)
  • 感想文等
  • さて、原作梅安と、テレビ「必殺仕掛人」とでは、かなりの差違がある。
     肝心の主人公、藤枝梅安のキャラクターからして、原作とテレビ版(緒形拳である)とでは、相当違う。相棒も、テレビ版では林与一演じる西村左内という元は辻斬りであるし。

     が、それでも一応なりと「原作」なので、テレビ化された中に、原作とタイトルからストーリー展開から同じようなものがある。「秋風二人旅」など特にそうだ。

     これ、実は、今回原作を読むまで、「あきかぜふたりたび」と読んでしまっていたのだが、「しゅうふうににんたび」らしい。

     それはともかく、いまさっき書いたことを打ち消してしまうようだが、この作品、原作小説とテレビ版とでは、ラストの部分で大きな改編が存在するのだ。

     ネタバレにはなるが、この改編の部分が、テレビ版「必殺」の大きな特徴ではなかったかと思われるので、ちょっと書いてみよう。

     この「秋風二人旅」のストーリーは、主人公の仕掛人梅安が、仲間の同じく仕掛人彦次郎と旅をしていたところ、この彦次郎の妻や娘を殺害した外道と遭遇し、復讐の機会をうかがうというもの。(テレビでは、彦次郎というのは前述の西村左内の子供の名前になっていたので、彦造に変えられていた)
     だが、実はその外道と目した侍は無実であり、この侍の弟こそがエリートの兄とだけそっくりで性格は邪悪、まさしく彦次郎の仇に他ならなかったのだ。兄の侍は弟のために苦しめられ、ついに弟を殺すことを仕掛人に依頼する。そして、梅安と彦次郎は、弟を倒す。
     原作もテレビもここまではほとんど同じである。

     原作では、エピローグとして、2年後、梅安がこの兄の方と出会うと、兄は無法の弟がいなくなって幸せになれていた、というような話で終わっていた。

     テレビ版では。。。彦次郎(テレビだから彦造だけど)の復讐も果たし、外道な弟に苦しめられていたエリートの兄もこれで救われた、、、のだが、この侍の清々しい笑を背景に、最後、梅安は彦造を相手に、何か割り切れなそうに言うのだ。
     「彦さん。。。あたしゃ、あのお侍が一番悪いヤツだったような気がするよ」

     この辺、実際の映像作品を見ていただかないと、この梅安の述懐もピンと来ないかもしれないのだけれど、こういう「疑問符」がテレビ版必殺の1つの特徴だった、と私なぞは思ったりもするのだ。

     もっとも、人口に膾炙してきた「必殺仕事人」の3作目辺りからは、そういう「疑問符」があまり見受けられなくなって、『時代劇は必殺です』のキャッチフレーズ通り、「お茶の間で、家族で安心して見られる時代劇」と変わらなくなっていったような気もするが。。。(おっぺ)
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