語る「万華鏡」

(「重力ピエロ」の一部削除)

重力ピエロ(じゅうりょくぴえろ)

項目名重力ピエロ
読みじゅうりょくぴえろ
分類ミステリ小説

作者
  • 伊坂幸太郎(おっぺ)
  • 公的データ
  • 連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。無意味な言葉の羅列に見える落書きは一体何を意味するのか? スタイリッシュ・ファミリー小説。
    。。。という紹介文からは全く予想の付かない内容です。(おっぺ)
  • 感想文等
  • 読んでいる間は、乗れなかった。
    読み終わったとき、「……すばらしい」とひとりごちた。
     読んでいる間、乗れなかったのは、これまで読んできたこの作者の本とは違う、重苦しい未来の存在を予感させられてしまったからかもしれない。
     グレアム・グリーン「ジュネーヴのドクター・フィッシャーあるいは爆弾パーティ」を読んでいた時のような。。。
     けれど、このひとつのハッピー・エンドは、とてもやさしい。「それがおまえを守る」。ハッピーエンドが、物語を守るときもあるものだ。ハッピーエンドは物語の死だという言葉も、在ったのは知っているけれど。
     この兄の言葉、会話は、何かを思わせるなあ、とは思っていた。つかこうへいとか、落語とか、いろいろ考えてみたが、いきなり、はたとわかった。
     芦原すなおミミズクとオリーブ」の夫さんだった。あのシリーズで、奥さん不在で、果敢に夫さんだけで事件に立ち向かった、そんな感じだったかもしれない。
     今までの諸作と比べて、確かに読んでいる時は乗れなかったけれど、読み終わって、やっぱりいい話だったなあと思う。そういう物語も、この世にはあるらしい。
     セリフとかをヘンに変えないで、そのまま映画にしてもいいかな。そんな感じもして。(おっぺ)
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