無神論者と無宗教

 私の宗教掲示板には、宗旨を明かさぬ闖入者が多く訪れる。無宗教を謳う
者も散見されるが、無神論者と無宗教者の相違点と同一点は何か。神の存在
否定するから無神論であり、宗教心はあるが特定の宗教を信ぜぬから、無宗
教と言えるらしい。学者の研究によるとアフリカ大陸の辺境には、全く宗教
を持たぬ恐らく世界で唯一の部族が存在するそうだ。

 占いや八卦見、姓名判斷等も宗教心からのものだそうで、本当に信仰を持
たない者は本当に稀有な存在と言える。その意味でも件の無宗教部族とは、
一体どの樣な暮らし振りなのか興味があります。
 討論の場で良く見られる己の宗旨を明かさず、相手の宗教を批判したり揶
揄する者は大概の場合は、自らの宗教に自身が無い場合が殆どの樣です。
神仏の御教えや奥義を凡人が一見すれば、矛盾や不明に混乱するのは当然の
事でありますし、論敵を誹謗せんが為の愚考であれば尚更の事です。

 例えれば基督教の三位一体論にせよ、高名なアウグスティヌスさえも一生
を掛けて尚、解明には至らなかった程に難解なものです。それを煩悩溢れる
凡人が安易な考えで批評するのは、文字通りに「天に唾する愚行」と申せま
す。宗教とは心のもの、己の認めぬ宗教でも論議には礼節が必要です。掲示
板等で散見される宗教論議では、相手を貶める為の低級な宗教批判が殆どの
様で、故に私の掲示板では論議の際に発言者の宗旨を明かにして貰っていま
す。
 くどい様ですが高名な学者や宗教家が何千年もの間、論議を尽くし戦争に
も発展したものを、我々が簡単に論ぜるものではありません。