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しらたまのヴァイオリン・メモ
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ヴァイオリンを弾くために必要なものリスト
このページではヴァイオリンを弾くために何が必要なのか、なぜ必要なのか、買うならどういうものを選べばいいのかを書いてみました。
尚、文中でご紹介している製品は「自分で使って見て良かったもの」もしくは「アマオケで良く使われているもの」「先生がたに好評なもの」ですが、それが一番いいというわけではありません。
●
こういうものが必要です
必要度
名称
参考価格
初心者おすすめ価格
◎
ヴァイオリン本体
2万円〜数億円
100,000
◎
弓
1万円〜数千万円
50,000
◎
ヴァイオリンケース
1万円〜数十万円
20,000
◎
松脂
千円〜4千円
2,000
◎
譜面台
4千円〜5万円
4,000
◎
クロス
千円位
千円位
○
弦
セットで2千円〜1万円
4,000
○
ミュート
500円〜5千円
数百円
○
音叉
数百円
数百円
○
チューナー
5千円〜2万5千円
5,000
○
メトロノーム
千円〜2万円
5,000
○
肩当て
千円〜2万円
5,000
△
教本
千円〜3千円
---
△
コンポジション
千円位
---
△
湿度調節剤
千円位
---
△
クリーナー
千円〜2千円
---
△
アルコール
数百円
---
△
鏡(姿見)
数千円〜数万円
---
△
消音器
2千円〜5千円
---
2001/1/18更新
●
道具選びのポイント
■ヴァイオリン本体(あご当て、アジャスター、ペグ、テールピース、弦、駒、魂柱は標準装備)
一概には言えませんが、5万程度のものは平らな板を機械に挟んで型押し成型してあることが多いです。
型押し成型だと時間が経つにつれゆがみが出てくるので、長持ちしません。
ヴァイオリンの形をしていても、音は耳に痛くヴァイオリンらしくないものが多いですから、この価格帯で選ぶなら慎重に吟味してください。
この上の価格帯(10万くらい)になると機械加工ながら板から削り出したものが多くなり、これらは長持ちします。
はじめて使う楽器としてはこの辺がおすすめです。
音が小さいこと(初心者にとっては十分大きいです)、板が厚くて重めであること、響きが足りないことは否めませんが、一通りのことはできます。アマチュアオーケストラなどでも使えます。
この価格帯だと、ヨーロッパ製よりは日本、日本よりは中国製の方がコストパフォーマンスは高いとされています。
同じメーカー、同じ型番の中にも当たり外れがありますので、先生か上級者に見てもらった方が安心です。
はじめから50万以上の「いい楽器」が持てるならそれに越したことはないのですが、 最初のうちは楽器の扱いに慣れていないので落としたりぶつけたりの事故は必ずといっていい程起こります(接する時間が長ければ長いほど!)。「いい楽器」を手に入れるのは一通りの事故を経験したあとでも遅くはないのではないか、と私は思います。
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■弓(毛・チップ・ラップ・フロッグは標準装備)
5万円以下の楽器でできないことはさほどありませんが、5万円以下の弓ではできないことが沢山あります。
弓は出力装置、パソコンで言えば「モニタ」です。
美しい精巧な映像データがパソコンに入っていても、モニタの性能が悪ければその美しさを表現できません。
また、ハードやソフトが揃っていても、モノクロモニタではカラーのイラストは描けません。
フォルティッシモで弓身が弦につかないこと、ピアニッシモでロングトーンが弾けること、フライング・スピカートができることが最低条件です。できるだけ先生や上級者に選んでもらいましょう。
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■ヴァイオリンケース
大きく分けて箱型とひょうたん型がありますが、ひょうたん型の方が安いので、こだわりがなければひょうたん型で構いません。
ある程度のクッション性と気密性、持ち手がしっかりしていることが求められます。
ただし、ひょうたん型は弓の収納場所が狭いので、実際に弓を納めてみて、弓が部分的に押し付けられるようなことないか調べた方がいいでしょう。強く押し付けられるようだと、弓の「ねじれ」の原因になります。
一方、箱型は、ちょっとした時に立てて置ける、楽譜が入る、弓が3本〜4本入れられる、持っているだけで上手そうに見える、といった利点があります。
持ち歩くつもりがあるなら「軽さ」を優先しましょう。
最近は「東洋エスプリ」「SUPER LIGHT」などに人気があります。
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■松脂
弓には馬のしっぽが一房張ってありますが、何もつけずにこれで弦をこすっても音はでません。
毛のキューティクルの凹凸を弦に増幅して伝えるために松脂が必要です。
松脂は透き通った茶色の塊で、弓でこすると白い粉末になります。
銘柄によって、「ねばり」に差があります。冬には「粘っこいものを」夏には「さらっとしたのを」と季節ごとに替えるという人もいますが、はじめは「さらっとしたの」一つあればいいでしょう。「さらっとしたの」の方が楽器の汚れが少ないです。
よく練習する人でも5年〜10年は持つものですが、ぶつけたり落としたりすると割れて使い難くなります。
最近は「ベルナルデル」が人気です。
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■譜面台
楽譜を見ながら演奏する際に是非とも必要です。
普通、ヴァイオリンはソロのときは立って、アンサンブルの時はイスに座って演奏します。
どちらの時でも、自分の目の高さに楽譜がくるように譜面台をセットしておくと、正しい姿勢が早く身につきます。
折りたたみ式のもので十分ですが、重い楽譜を載せてもひっくり返らないよう、しっかりした作りのものを選びましょう。
「ウィットナーの黒」が一般的です。
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■クロス
楽器本体を買えば、だいたい「おまけ」でついてきます。
楽器・弓についた松脂、手の油、ほこりなどを取り除くためのものです。
やわらかいガーゼなどでもいいようですが、大きさ的に専用のものが使いやすいです。
専用のクロスでも力を入れてこするとニスがはげるので気をつけましょう。
ほとんどのものが洗って繰り返し使えます。
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■弦(スペア弦)
楽器のオーナーになったら必ずスペア弦を常備しておきましょう。
例え弾かなくても弦は劣化していつかは切れます。
弦が全部切れると駒が倒れ、衝撃で楽器の表板が傷ついたり、悪くすると楽器の心臓「魂柱」が倒れたりして、修理が必要になることがあります。
そうならないために、定期的に交換するようにしましょう。
弦の交換は「半年に1度」と言われますが、音色を気にしなければ1年でもいいでしょう。
スペア弦は、買った時に張ってあった銘柄でなくても構いませんが、沢山の種類がありそれぞれ特色がありますからよく調べてから買いましょう。
こだわりがなければ、セットで買っておいて、使った分を補充します。
よくわからない場合はお店の人に「ドミナントのミッテルをセットでください。バイオリンのフルサイズです。」と言いましょう。
50万以上の手工品楽器では、購入時に張ってあった弦が参考になります。
お店の人が、その楽器に一番合った弦を選んで張ってくれている場合が多いのです。
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■ミュート(弱音器)
駒の振動を減らすための、ゴム製、または木製・金属製のクリップです。
ピアノの左ペダルと同じで、楽譜に指示があればこれを駒にこれを着けて音色をやわらかくします。
材質、形状により、着けたときの音色は違います。
教則本などではほとんど使われないので、必要になった時に買えばよいでしょう。
オケなどで使うならば、「着ける・外す」がすばやくできる、ゴム製の「トルテのシングルホール」がおすすめです。
でも、小さくて外れやすいので失くさないように!
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■音叉またはピッチパイプ
ヴァイオリンは弾く前に各弦の音のずれを直す必要があります。
きちんと調律してあるピアノがあれば、それで音をとってもいいのですが、より正確な「ラ」が欲しいときには音叉を使います。
高めの「ラ」低めの「ラ」中くらいの「ラ」というように「ラ」にもいろんな「ラ」があります。
お店にもいろんな「ラ」の音叉が用意されていますが、少し高めの「ラ」に合わせるのが最近の流行です。特にこだわりがなければ、音叉は「442Hzのラ」を選びましょう。
音叉を机の角などで叩いて振動させて、すばやくバイオリンの駒に足の部分を押し付けると、大きな音で鳴ります。
自分の耳の骨に押し付けてもよく聞こえます。
その音にぴったり合うように調弦します。
ピッチパイプは笛で吹いて「ラ」の音を出します。確か他の弦の音も出ます。 一見簡単そうですが、音叉もピッチパイプも、音を出すことと合わせること、同時に二つのことをやらなくてはならないので実はとても難しいのです。初心者の方にはおすすめしません。
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■チューナーとメトロノーム
チューナーは自分の出している音が標準よりも高いのか低いのか調べる機械です。
目盛りを見ながら調弦します。
今出ている音が「高すぎる」のか「低すぎる」のか視覚的に見せてくれるので、初心者の強い味方です。
メトロノームも練習に欠かせない道具の一つです。
メトロノームに合わせて練習することで、自分の悪い癖を知ることができます。
最近では電子メトロノームがよく使われています。
チューナー、電子メトロノームのほとんどは多機能で、基準音の「ラ」を発振できます。
この「ラ」は電池が切れるまでエンドレスで鳴り続けてくれるので、ゆっくりと時間をかけて調弦することができます。
初心者はこの音に合わせて調弦することをおすすめします。
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■肩当て
肩当ては、楽器を水平に構える時の負担を軽減するために使います。
肩当てがなくても無理なく水平に構えられるのならば必ずしも必要ではありませんが、ヴァイオリンに限って言えば、アマにしろプロにしろ肩当てを使っている人の方が圧倒的に多いです。なぜなら、その方がラクだからです。
肩当てを使うと左肩の自由が利かなくなって動きが制限されるという人がいます。
肩当てを使うと楽器の響きが悪くなる、という人もいます。
また、肩当てをして裏板の振動を止めない方がいい音がでるのだ、という人もいます。
私は今のところ3番目に一票ですが、専門家の間でも大いに意見の分かれるところです。
先生の方針で使わないのならともかく、とりあえずはいい姿勢を身に付けるために肩当てを使うことをおすすめします。
楽器の淵を支えるブリッジ型、楽器の裏板に直接当てる空気枕型が一般的です。
高さ、パッドの形状など、自分の体に合ったものを選びます。
ブリッジ型のKUN(クン)が好評です。
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■教本
普通は先生が指定したものを買います。
教本を使うと、効率よくバランス良く練習を進められ、自分のレベルを知ることができます。。
基礎練習・音階練習・ポジション練習・曲集などがあります。
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■コンポジションまたはチョーク
ペグの動きを円滑にするために使うクレヨンまたはチョーク状のものです。
ペグ(糸巻き)の動きが緩くなったとき、硬くなったときに、一度ペグを外して、ペグの周りに塗りつけます。
調子が悪い時以外は必要ありません。
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■湿度調節剤
ヴァイオリンは湿度に敏感です。
楽器に湿気が含まれると、反応がにぶくなり、くもった響きになります。
また、乾燥しすぎると、音に深みがなくなってしまいます。
若くて健康な楽器ならまず心配することはありませんが、湿度がカビや割れの原因になることもあります。
湿度調節剤は、楽器ケースの湿度をヴァイオリンに最適に保つための製品です。
湿度が高くなると水分を吸収し、それ以下になると水分を放出する、という性質があります。
必ずしも必要なものではありませんが、気になる方は使ってみるといいでしょう。
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■クリーナーまたはポリッシュ
オイルまたは乳液状の楽器磨き剤です。クロスだけではとれない手の油や松脂を除去し、楽器のツヤを取り戻します。
ヴァイオリンのニスはデリケートなので必ず専用のものを使いましょう。
頻繁に磨く必要はなく、2ヶ月に1回くらいで十分です。
磨きすぎはニスを痛めます。
クリーナーをつけて軽くぬぐってみてとれない汚れは、無理をして落とさずに、専門店に依頼しましょう。
多少の汚れは音に影響を与えませんが、無理にこするとニスが剥げます。
弓の汚れも落とせますが、弓に使うときは毛につけないように十分注意してください。滑って使えなくなります。
汚れを落とすことを目的とした「クリーナー」と、ツヤを出すための「ポリッシュ」があります。
まずは「クリーナー」があれば十分でしょう。
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■アルコール
指板、あご当ての汚れを落とすときに使います。
少量を布につけて、汚れをふき取りましょう。
ただし、誤って楽器本体につけるとニスが溶けて大変なことになりますので、使用の際には細心の注意が必要です。
また、アルミニウム巻きの弦で雑音が気になるときは、アルコールをつけた布で弦を何往復か拭いてやると雑音がとれることがあります。
薬局で売っている消毒用エタノールでいいでしょう。
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■鏡(姿見)
自分のフォームを確認するために使います。
ツヤツヤの黒いアプライトピアノでも代用できます。幅が広いので鏡より快適だったりします。
自分が弾いている姿をビデオに取って見るのもいいでしょう。
練習用に購入するなら、肩幅以上の幅のあるものがおすすめです。
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■消音器(サイレンサー)
大きな音を出せない場所で練習する時に使います。
重い金属性のものと、ゴム製のものがあります。
駒に挟んで、駒の振動を止めることで音を小さくします。
金属性のものの方が消音効果は高いですが、ゴム製の方が音色的には優れています。
ミュート(弱音器)と混同されることがありますが、使用目的の違うものです。
金属製のものを使う時は、楽器の上に落とさないように注意しましょう。
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