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カリフォルニア電力危機(1)〜電力危機前夜 カリフォルニア電力危機の分析の前にニュースを一つ。 グローバリスト派エンロンの急速な凋落が起こっている。そして、下記の日本市場撤退の動きは、エネルギー業界にとり僥倖?かもしれないが、日本が仮面を被った共産主義国家であることの証左というべきものである。日本国内における自由化の是非に関しての喧々諤々の議論はともかく、少なくとも外からは自由化するつもりがないと思われているのである。 (引用はじめ) 本題に入る。 まずは、自由化以前から、危機がおこるまでの状況についてスケッチしておきたい。 電力事業の自由化以前の州内では、投資家所有による巨大な下記の公共電力企業が電力市場をほぼ独占していた。 これら大手3社が州内で発電所を所有、独自の送電網を通して各顧客の元まで配電して料金を徴収するという、発電から配電までのすべてのプロセスを独占的に取り仕切ってきた。発・送・配電の垂直統合といわれる方式である。 この3社の他に、電力を卸す小規模の独立系発電業者(IPP: Independent Power Producer)が数多く存在していたが、基本的な業界の様相は、現在の日本の電力業界と極めて似かよったものであった。 公共料金はCalifornia Public Utilities Commission(CPUC : 加州公益事業委員会)によって監視されていたものの、競合他社がいないため競争の原理は働かなかった。 1996年の電力の自由化政策導入により、州政府の卸料金規制は撤廃された。発電所からCal-ISOを通して送電された電気は、新たに設立されたCalifornia Power Exchange (Cal- PX)と名付けられた電力マーケットで取引されるようになった。また、大手3社は、発電施設の売却を州政府より迫られ、自社発電のいくつかを手放した。高圧線などの送電施設の所有、運営は認められたが、管理は新たに発足したCalifornia Independent System Operator(Cal-ISO)に移行された。これら一連の動きのことをアンバンドリング(unbundling:束ねていたものをほどく)という。日本語では、発・送・配電分離といわれているものである。 結局、大手三社は、垂直統合の電力事業から、中規模の発電事業とCal- PXから電力を買い付けてエンドユーザーに供給する配電業を営む「新生の電力会社」に変わったのである。 大きな枠組みをまとめると、 という仕組みになった(下図参照)。 (つづく)
2001/11/25(Sun) No.01
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