桜の中で
日の沈んだ,暗い景色の中,静かに,音無く,ゆっくりと,散る,桜。
花は散るから美しい,なんて言ってた人がいたが,むしろ散る光景が美しいんじゃな
いか,などと漠然と思う。桜は魔性の花って言われるけど、夜桜は昼間にも増して陰を
感じる。その陰が,散る桜に美しさを添えてるんだろうけど…。
これだけ桜が満開なら,普通花見客が大勢いそうなものだが,辺りに人気はまったく
ない。……まぁ,ここにいる時間帯が問題なんだろうけど。
時計の短針は既に12を回っている。草木も眠る丑三つ刻……にはまだちょっと早い
が,良い子はもう寝る時間だ。
…俺も自分が良い子だとは思いたいけど……なぁ。やっぱり,こんな時間に公園をう
ろつくっていうのは世間一般から見れば『不良』なんだろうかなぁ。まぁ,有彦ほどじ
ゃないけど。
「し~き~♪ 桜,きれ~だね~~♪」
……訂正。こんな夜中に女の子連れてる男は問答無用に不良だな。並んで歩いている
女の子を横目で見ながら内心呟く。
さらっとした金髪のショートカット,朱い瞳,純白の服で体を包んでいる,ちょっと
どころじゃない美人な女の子。……アルクェイドだ。
西洋の由緒正しい吸血鬼なのに,昏い闇の檻に塗りつぶされた中、はらはらと桜が散
る光景にその白い影は意外なほど似合っていた。…口の周りにソースをつけて,歩きな
がらたこ焼きを食べていなければ,だが。
「ああもう,買い食いはやめろって言ってるだろ?」
「はフはう……ん~そんな事言ったって~~」
口に放り込んだ熱いたこ焼きを苦労しながら嚥下して、アルクェイドは続ける。
「別にいいじゃない。志貴にお金ださせてる訳じゃないんだし」
「そう言う問題じゃないだろ…。行儀が悪い」
と言うか,それ以前にこいつみたいな容姿の女の子がたこ焼きを歩きながら食べるっ
てことが根本的に,徹底的に似合ってない。
「………太るぞ」
「……う………」
「そう言えばアルクェイド。最近お前の身体のラインが心なしかふくよかになってきた
ような気が……」
「あーーあーー! 志貴が苛める~~!」
「……まぁ,お前からすれば花より団子なんだろうけどな…」
耳をふさいでしゃがみ込んでしまったアルクェイドを見下ろしながら,嘆息混じりに
呟いて,再び桜の木を見上げる。
その光景は何度見ても、朧げで,幻想的で,美しかった。…そしてどこか,似ている
とも思った。隣で半べそをかいている白いお姫様に。
……けど。
「アルクェイド,もう行くぞ。いくら春でも,夜になったらやっぱり寒いし」
「は~~い」
「…あと,家に帰るの面倒くさいから,今日はおまえの家に泊めてくれ」
「私は別に良いけど……。いいの? 妹が何か言いそうだよ?」
「…秋葉は何か言うだろうけど,俺はアルクェイドの手伝いをしたら疲れた。だからも
う歩けない」
「アハハ。志貴,わがままだ~~」
「……それだけはお前に言われたくない」
俺は、桜なんかよりももっと厄介なヤツが好きなんだろうな。
気まぐれでわがままな,桜なんかよりもずっと綺麗な純白のお姫様が。
それじゃあ,帰るか
うん! 志貴と一緒に!!
~あとがき,と言うか独白~
ども,久々の投稿になります,キヅキです~。
今回は50万Hit記念と言う事で月姫SSを書いてみましたが、どうだったでしょ
うか?
志貴の口調が変,もっとアルクェイドをしゃべらせろ~,そもそも短い,なんていう
突っ込みも多々あると思いますがご勘弁ください,私も未熟なもので(汗)
ぁ,でも短いって言うのは根性で何とかなるか……(墓穴)
ま、まぁそれはともかく! こんなSSを読んで下さってありがとうございます!
それでは最後に…Hiroさん,50万Hit,改めておめでとうございます!!
☆ コメント ☆
秋葉 :「むかむかむかむか」(ーーメ
翡翠 :「ああっ、秋葉さまが思いっ切り不機嫌です」(--;
琥珀 :「ですねー。まあ、志貴さんが帰ってこないのですから仕方ないですけど」(^^)
秋葉 :「むかむかむかむか」(ーーメ
翡翠 :「それにしても、志貴さまってばどちらに行かれたのでしょうか」(--;
琥珀 :「アルクェイドさんとデートらしいですよ」(^^)
翡翠 :「え? で、デートですか?」(--)
琥珀 :「はい~」(^^)
翡翠 :「デート。……志貴さまがデート。……デート。
むかむかむかむか」(ーーメ
秋葉 :「むかむかむかむか」(ーーメ
琥珀 :「あらら~。翡翠ちゃんまで不機嫌モードになっちゃいました~。
これは、志貴さん、血を見るかもしれませんねー」(^^)
秋葉 :「むかむかむかむか」(ーーメ
翡翠 :「むかむかむかむか」(ーーメ
琥珀 :「志貴さんのお帰りが楽しみです。…………くすっ」( ̄ー ̄)ニヤリ
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アルク:「ん? どうしたの、志貴?」
志貴 :「い、いや……ちょっと悪寒が……」(--;
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