「あっ・・・・・・・・、はあっ・・・・・・・・。」
 
 わたしの体を藤田さんの手が這い回る、太ももを、胸を、お尻を、そして大切な所、藤田さん以外の人
には絶対に触らせない女の子の場所を、優しく撫でまわすように。
 でも、その動きはどこかぎごちなくて、わたしは微笑みをうかべてささやきました。
 
 「いいんですよ・・・・・・、藤田さんのしたい事をしても・・・・・・。」
 
 その言葉を引き金に、藤田さんの動きが大胆になっていきました。遠慮しなくてもいいのに、藤田さんだから
こそ、わたしはこうして抱かれたいのに・・・・・・・・。もっともっと愛してください、もっと淫らに、いやらしい動きで
わたしをあなたの虜にしてください。
 
 わたしの思いが通じたのか、ますます藤田さんは手で、口で、舌で、わたしを快楽の中に引き入れてくれました。
わたしはもう、ただあえぎ声をあげるだけでした。
 
 そして
 
 「琴音ちゃん・・・・いいかい・・・・?」
 
 藤田さんがわたしにささやいてきました。わたしはその言葉の意味を悟ると、笑顔で頷きました。
 
 「はい・・・・、わたしを・・・・・藤田さんのものに・・・・・して下さい・・・・・。」
 
 わたしの両足が開かれて、藤田さんがそこにきました。そしてわたしの女の子の場所に、藤田さんの男の人
のものがぴたりと当てられました、硬くて、そして熱い、男の人が・・・・・・。
 
 「いくよ」
 
 藤田さんが言いました、わたしは期待と、そして恐れが相半ばしていました。それでもめを閉じて藤田さんが
入ってくるのを待ちました。
 
 わたしの中に藤田さんが、優しく、ゆっくりと入ってきました。わたしは喜びに震えました。とうとう藤田さんと
ひとつになれたのですね?
 藤田さんとわたしの体がぴたりと重なりました。藤田さんの鼓動がわたしの体中に響きました、わたしは
腕を、足を藤田さんの体に絡めました、もう絶対に離しません・・・・・・。
 
 「こ、琴音ちゃん・・・・・・・」
 
 藤田さんの声が上ずっています、そんなにわたし大胆な事をしているのでしょうか?
 
 「ちょ、ちょっと・・・・・・それは・・・・・あん・・・・・・。」
 
 え?なんで女の子みたいな声を?
 
 「もう、いいかげんにしてーーーーーーーーーーーっ!!」
 
 えっ?あ、葵ちゃん・・・・・・・・・?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 気付くべきだったんでしょうか、初めてなのに痛みを少しも感じなかった時点で夢だったと言う事に。
 
 
 
 
 
 
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             To Heart  「マルチの話」
 
 
 
 
 
 
 
               やっぱり好きなんです          
 
                                      くのうなおき
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ふう・・・・、やっと、目を覚ましてくれました。ただ眠っているだけならいいんですが、抱き付いてきて
両足でカニ挟み更に、腰をおしつけてこられたらさすがに・・・・、いちおうここは、いろんな人が来ているんですから、
それに女の子同士では困ります。
 
 目を覚ました琴音ちゃんは、しばしぼーっとしてわたしを見つめていましたが、やがて顔をあからめる
とうつむいてしまいました。うつむきたいのはわたしも同じです、まだ水着ごしに感じた琴音ちゃんの
女の子の場所の感触が残っています。うう・・・・、危ない道は勘弁して下さい。
 
 
 
 まだ外の暑さが冷め止まない、九月の初め、わたし達は綾香さんの誘いでプールに来ています。
当然、先輩やあかりさん、マルチちゃんも一緒です。綾香さんは「浩之達も来るんだから、断る理由
なんてないわよねー」なんて悪戯っぽく言っていましたが・・・・・、ううっ、わたしも琴音ちゃんも図星
ですから何とも言えません。でも、綾香さんだって妙にうきうきしていたのはわたしの気のせいでしょうか?
 
 と言う事で、気持ちもうきうきして、プールに来たのですが、それなりに泳げるのって結構悲しいですよね
・・・・・。先輩はあかりさん、マルチちゃんのコーチに付きっきりの状態でした。「それっ、頑張れ、ほら、もうちょい」
と声をかける先輩、そしてあかりさんとマルチちゃんが泳ぎきれるととびっきりの笑顔で二人の頭を撫でるんです。
その時のあかりさんとマルチちゃんのとっても幸せそうな顔・・・・・・・、あ~あ、わたしも泳ぎが苦手だったらなぁ
、それは、泳げない人には「何言ってるの」と言われそうだけど、でもあかりさんとマルチちゃんを見ていると、そう
も思いたくなります。今更「わたし、実は泳げないんです~」なんて言えないし。ちなみに芹香さんも先輩に泳ぎ
を教えてもらおうと企んでいたみたいなんですが、綾香さんに「姉さんはあたしとセリオでコーチしてあげる」と
言われて引きずられていきました。あの時の芹香さんのがっくりした顔、失礼ですけどちょっと笑ってしまいました、
だって、芹香さんたら本当に子供みたいで、とっても可愛かったんですから。
 
 気がつけば、琴音ちゃんがわたしの隣に来ました。
 
 「襲っちゃやーよ」
 
 「も、もう・・・・・葵ちゃんったら勘弁してよ・・・・・・。」
 
 「だって、あれはびっくりしたよ、カニ挟みのうえに貝あわせなんかされた・・・・・・・・・・・」
 
 い、いけない、わたしったらなんて事言っているんでしょうか?あ~あ、琴音ちゃんも茫然とわたしを見てるし・・・・・。
ここは、話題を変えないといけません。
 
 「ねえ、さっきはどんな夢みてたの?」
・・・って、変わらないじゃないですか、これじゃあ・・・・・・。聞かなくたってどんな夢だったかかは分かるのに。
 
 「い、言わなきゃ駄目・・・?」
 琴音ちゃんがおずおずと聞いてきました。
 
 「ううん、言わなくても大体どんな夢を見ていたか、わかるから。」
 ああっ、また余計な事を!な、なんかフォローできる話は・・・・・・、やめとこ、ますます深みにはまりそうだから
しばらく黙っていよう。
 琴音ちゃんも、わたしの考えが分かったらしく、何も言わないでいてくれました。
 
 
 黙り込んでいる二人の前を、先輩達が泳ぎの練習をしています。もう、人の気も知らないで、なんて
つい勝手なことを思ったりします。
 う~ん、どうしましょうか?先輩一人ではあかりさんとマルチちゃんのコーチは大変でしょうから、わたしが手伝う
というのは。
 そう思って、わたしは立ちあがろうとしたのですが・・・・・・、あれ?体が動かない、ひょっとして・・・・・・・・。
 
 となりを見れば琴音ちゃんがじっと、わたしを見ています。やっぱり、念動力でわたしの動きを封じています。
 
 「あ、あのね・・・・・、抜け駆けじゃないんだよ、琴音ちゃんも一緒に・・・。」
 
 「葵ちゃん、甘いです。」
 
 「えっ?」
 
 「分かりませんか?今の状況が微妙なバランスの上に成り立っていると言う事を。今わたし達が藤田さん達の
お手伝いをしたらどうなるか、おそらく綾香さんが黙っていないでしょう。芹香さんのコーチをセリオさんだけにまかせて
藤田さんを一緒に泳ごうと誘うでしょう、そうなったらあかりさんとマルチちゃんのコーチをしているわたし達に打つ手は
ありません。その逆もまたしかり、だから、綾香さんも芹香さんのコーチをしているのです、ここは下手に行動に出るより
藤田さん達を見ていましょう。」
 
 みれば、綾香さんが、ちらりちらりとわたし達と先輩達を交互に見ています。わたしはおかしくなって、くすっ、と笑ってしまい
ました。綾香さんの以外な面を見てしまったような感じがしました。エクストリームの女王いえどもやっぱり女の子なんですね。
 
 「うん、そうだよね、しばらくは先輩達を見ていようか?」
 そしてわたしは思わず「ふふっ」と声をあげて笑いました。
 
 「どうしたの?葵ちゃん」
 
 「何だかおかしくなっちゃって・・・・・、人の旦那様なのに、わたしも、琴音ちゃんも、綾香さんも、芹香さんも皆ムキになっちゃって
・・・・。」
 
 「そうだよね、でも、わたしはそれが、間違ってるとはおもえない、藤田さんにはあかりさんというお似合いの人がいる、でも
やっぱりわたしは藤田さんが好き、あかりさんを、マルチちゃんを愛している藤田さんが好き。」
 
 
 「エッチな夢を見ちゃうくらい?」
 
 しまった~!!と思ったときにはもう遅く、わたしの体は宙に浮いたかと思うと、プールのなかへ落ちてしまいました。
 
 ダッパーーーーーン!!
 
 
 「けほっ・・・、けほっ・・・・・・・、うう・・・ひどいよぉ~、琴音ちゃ~ん。」
 
 「知りません、ぷんぷん、葵ちゃんは藤田さんとエッチなことをする夢は見ないんですか?」
 ぎくっ!い、言わなきゃいけないかな・・・・・。
 
 「見るんですね?」
 にこにことしながら、琴音ちゃんが言いました。意地悪・・・・・・・・、わたしは顔を赤くしながら頷きました。
 
 「だって、好きなんだから・・・・、しょうがないじゃない」
 
 「そうでしょ?綾香さんも、芹香さんも同じだと思うよ。あかりさん、マルチちゃんがそばにいても、いえ、
そばにいるからこそ、もっと藤田さんを好きになっていく。」
 
 「うん・・・・・、先輩は大好きだよ、でも先輩達はもっと大好きだよ、高校の時、わたしを、琴音ちゃんを
支えてくれた先輩達が。」
 
 「だから、夢のなかだけで我慢しましょう。」
 
 「わたしは・・・・・、大丈夫だけど、琴音ちゃんの方が心配・・・・・・・。」
 
 どうして、わたしはこう・・・・、墓穴を掘るような事をすぐ言ってしまうのでしょうか。宙に浮いたわたしの体は
先輩達のそばへ・・・・・・、先輩達のそば?
 
 ダッパーーーーーーーン!!
 
 
 「ぶわっ・・・・・!!あ、葵ちゃん、いきなりどうしたんだ!?」
 
 こ、これはまたとない幸運、わたしは先輩にぎゅっとすがりつきました。
 
 「ふえええん、琴音ちゃんがいじめるんですぅ」
 
 「そ、そんなことありません!!葵ちゃん、藤田さんから離れて下さい!抜け駆けですよ」
 
 「いやだも~ん、せんぱ~い、こわかったです~。」
 
 「む~っ、こうなったら~」
 といって、琴音ちゃんも先輩のところに飛んできて、先輩に抱き付いてきました。
 
 「わたし、葵ちゃんをいじめてなんかいません!信じてくださいね?」
 
 「わ、わかった・・・・、信じるからとりあえず、離れてくれないかな」
 
 「ぶーぶー、浩之ちゃんの浮気者~」
 
 「不倫はいけませんよ~」
 
 あかりさんと、マルチちゃんが笑いながら先輩に言っています。冗談だって分かるのに
先輩ったら真っ赤になって
 
 「ち、違う!勘違いすんなあ~!!俺はあかりだけだって・・・・・・!!」
 
 あっ、先輩もあかりさんも真っ赤になって黙り込んでしまいました。マルチちゃんはそんな二人を
にこにこと笑いながら見つめています。う~ん、微笑ましい光景ですね、でもちょっと妬けてしまいます、
だから、さらに先輩にすがりつきました。
 
 「こらーーーっ!葵ーーーー!!姫川さーーん!!あんたらなにやってんのよぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
 
 あっ、綾香さんが怒鳴りながらこっちへ泳いできました。これは退散したほうがよさそうですね、これ以上
は先輩が可哀想ですから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 先輩、先輩にとってはわたしは、妹みたいな存在なんでしょうね。わたしは先輩を一人の男の人として
見ています、でもその想いが先輩に届く事はないでしょう。それでもわたしは、幸せです。あなたと、あなた
達と出会う事ができたから・・・・・・・・・・・。あなた達を好きでいられるから・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 家族を愛するあなたが大好きだから。
 
 
 
 
 
 
 
 最後に先輩をぎゅっと抱きしめて、わたしは先輩から離れました。
 
 
 
 
 
 
 
       終
 
 
 
 
 
 
 
   後書き
 前回が琴音ちゃんだったから、今回は葵ちゃんを主役にしてみました。
「マルチの話」なのに、マルチ、浩之、あかりの影が薄いな・・・・と思う
方もいますでしょうが、この「マルチの話」はTH本編のマルチシナリオ
の続きを自分なりの世界観で書いてみようという考えでやっています。
だから、時にはマルチが全くの脇役という場合があります、この事を
ご了承ください。
 
 
 今回の反省
 
 エッチシーンの書き方をもっと精進せねば・・・・・(汗)



 ☆ コメント ☆  葵 :「……琴音ちゃんてば……」(*--*) 琴音 :「な、なに?」(*--*)  葵 :「……えっち……」(*--*) 琴音 :「……葵ちゃんだって……」(*--*)  葵 :「……………………」(*--*) 琴音 :「……………………」(*--*)  葵 :「……琴音ちゃんほどじゃないもん」(*--*) 琴音 :「……………………」(*--*)  葵 :「……わたしは、琴音ちゃんみたいに暴走しないもん」(*--*) 琴音 :「う゛っ」(*--*)  葵 :「寝ぼけてエッチな事をしたりしないもん。それも女の子相手に」(*--*) 琴音 :「う゛ーっ」(*--*)  葵 :「……まったく。ほんとにもう」(*--*) 琴音 :「……だから……ごめんってば」(*--*)  葵 :「くせになっちゃったらどうしてくれるの?」(*--*) 琴音 :「ごめん。……………………って……………………え?」(--;  葵 :「もしそうなったら……責任取ってね」(*--*) 琴音 :「え? え? え?」(--;;;  葵 :「ね?」(*--*) 琴音 :「…………………………え?」(--;;;;;



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