To Heart SS                    マルチの話    またまた恥ずかしいですー                                 くのうなおき       はじめに  この話は前回の「恥ずかしいですー」の続きだ。前回から二週間後 の話になるな、そろそろ志保を許してやろうかと思ってるんだが・・・・。  皆、この事を了承のうえ、この話を読んでくれ。    「了承」  秋子さん、出るSSが違いますよ。  「意地悪・・・・・・・・・・。」  明日は休日ということで、秋の夜長を、何かビデオでも借りてきて見よう という事で俺とあかりとマルチはレンタルビデオ屋に行った。家から離れて はいるが、種類の豊富さは他の店を圧倒的に引き離しているということで、 よく利用している店だ。  「それじゃあ、観たいものを見付けたらレジの前で待っていてくれ。」  「うん、わかったよ」と頷くあかり、そしてマルチと一緒にビデオをさがしに 行った、まあ、あの二人は好みも似ているからな。さてと俺もさがしに出ますか。      しかし、いつ来ても沢山あるねえ、ここは。何を見ようか中々決まりゃあしねえ・・・・・。 ビデオがびっしりと並んだ棚の前で何を選ぼうか迷っている俺の肩を誰かぽんぽんと 叩いた。  「おっ、あかりにマルチ、もう決まったのか?」  と振り向いた先には  「残念でしたー♪」  と綾香が笑いながら立っていた、となりにはセリオがぺこりと頭を下げていた。  「何でお前らがこんなところに・・・・・」  しかし綾香は俺の呟きを無視するかのように  「いやー、独り身の男は哀しいわよねー、やっぱりエッチなビデオをご希望ですか?」  などと失礼なことを言ってきやがった。  「アホか、エロビデオなんか借りねーよ。第一俺にはあかりが・・・・・・。」  「またまた、見栄なんか張っちゃってー、いいのよ、知り合いのよしみでこの綾香さんが お茶ぐらい付き合っても・・・・・・。」  付き合うときりがないので、俺はセリオに挨拶をして言った。  「お前のご主人にもこまったもんだな・・・・・・・。」  「はい、私も時々そう思います。」  「ちょっと、浩之!何あたしを無視してんのよお、それにセリオ!あたしあんたが困るような事 した覚えなんかないわよ!」  「え?自覚が無かったのですか?」  「な、なんですってえええええっ!!」  「冗談です」  「むむむむむむ、むきいいいいいいっ」    はたから見ていれば楽しい喧嘩の光景だが、ここは店の中だ、俺は二人を(というか綾香を) 止めた。  「おいおい綾香、ここは店の中だって、喧嘩はやめろ、大体なんでお前らがこんな所にいるんだ?」  「ふふーん、別に居たってかまわないでしょ?」  先程の怒り様とは打って変わって、悪戯っぽい笑いをみせる綾香、まったく3年近く友人をやってても こいつは本当にわかんねえ。ちなみに綾香は俺やあかり、芹香先輩と同じ大学に通っている。まあ、 来栖川グループが中心となって設立した大学だから当然といえば当然だ。    話がそれたな  「そりゃ、かまわないがな、だけど、お前らわざわざここにこなくたって、見たいものがあればすぐに 見れるんじゃねーのか?」  「甘いです、浩之さん」  セリオがずいっと顔を俺に近づけてきた。なんか目がらんらんとしているような気がするのは錯覚か?  「世の中には来栖川の財力をもってしても中々手に入らないものがあるのよ・・・・・。」  綾香が呟いた。どういうことだ。  「例えばこの『大怪獣アゴン』これなんかはもう、中古市場でもめったにお目にかかれるものでは ありません、このお店にあったというのは誠に僥倖と言うべきではないかと思います、ああ・・・・・・ 長年見たかったものがついに・・・・・。」  と幸せ一杯の表情(と俺には見えた)で語るセリオ、この際『長年って、お前半年前まで眠ってたんじゃ ねーのか?』という突っ込みは無しにしよう・・・・・・・。  「まあ、セリオの特撮オタクぶりには呆れちゃうわよねー。」  と綾香は言った。俺は綾香を少し冷たい目で見た。  「な、なによお浩之、その目はあ・・・・・・。」  「お前が手に持ってる『キングコング対ゴジラ(海外版)』のビデオは誰が見るんだ?」  「そ、そ、そ、そ、そ、そりゃあ、セリオに・・・・・・・・」  「違います」  間髪入れずに答えるセリオ、綾香は「ううっ・・・・・」と唸ると下を向いてしまった。 まったく・・・・・・、ひょっとしてセリオの特撮趣味って綾香が原因じゃねーのか? それとも綾香がセリオに影響されたのか?  何てことを考えていると  「ひ、浩之ちゃあ~ん」  あかりが半べその顔で駆け寄ってきた、それでも綾香とセリオに挨拶するのだけ は忘れなかった。ううむ、律儀だな・・・・・。  「どうした、あかり?」  「あ、あのね、わたしがビデオの棚を見ていたら、マルチちゃんがどっかへいっちゃたの。」  涙目であかりは言った。俺はあかりを落ちつかせるように頭を軽くぽんぽんと叩いて言った。  「落ちつけ、それでどこにいた時にマルチとはぐれた?」  「ええと、むこうの洋画コーナーに・・・・・・・」  あかりが言い終わらないうちに、向こうから「浩之さ~ん、あかりさ~ん」と声が聞こえた。 マルチがビデオを二、三本抱えて駆け寄ってきたのだが・・・・・・・・・、こ、こらマルチ!!  「あうううっ・・・・・・、この女の方、お尻に注射されています~、それでこの方は裸にされて 縛られてます~、それでこの方は・・・・・・・」  マルチの持ってきたビデオはいずれも18禁のそれも倒錯物のやつだった。大方、たまたま 目についてしまったんだろう。それにしてもまだ覚えていたのか・・・・・・・。  「浩之さ~ん、あかりさ~ん、どうしてこの人達はこんなことしてるんですか~?やっぱり 志保さんが言うようにこれが『夫婦の営み』なんですか~・・・・?」  違う!少なくとも俺とあかりはこんな事はしない!!と言おうとした時、背後から首をガキッと 絞められた。  「ひ~ろ~ゆ~き~!!、あんた純真無垢なマルチになんて物借りさせるのよ~!!!」  「ち・・・、違う!げほっ!!ごごごご誤解だ・・・・ぐええっ!!」  「浩之さん、不潔です」  「違うのセリオちゃん、これはね、訳があって・・・・・・。」  「神岸さん、このろくでなしをかばう必要なんてないわよ。」  「いや、かばうんじゃなくて、これは不幸な事件で・・・・・・・、とにかく浩之ちゃんは悪くないんだってば!」  「ぐええええ・・・・・・・・・・・」  「あうううっ・・・・やっぱり浩之さん、あかりさんもこんな事しているんですね、お尻に注射をして いるんですね、それが夫婦の営みというなら仕方ありませんが・・・・・、でもこんな事して楽しい ですかぁ~~~~~~~!?」  「だから違うってばあああああっ!!」  結局この後、綾香とセリオには志保の一件を最初から話し、マルチにはビデオ でしているからといって、俺とあかりはそんな事はしないと、こんこんと教え諭す 羽目になった。あげく綾香に「それじゃあ、浩之達は何をしているのかなあ?」 詰問されて、二人して前回以上に細密な「夫婦の営み」赤面大激白となってしまった・・・・・・・。  マルチが途中オーバーヒートしそうになりながらも最後まで聞いていて  「ああ・・・・、やっぱり夫婦の営みって恥ずかしいけどすばらしいですー」  といってくれたのが救いだった。  とりあえず志保の奴はあと一月は出入り禁止。      終  後書き  聖悠紀さん、ごめんなさい!(笑)マルチは忘れていませんでした。 聖さんが掲示版にあんな事書くからこの話を思いついたなんて そんな事はありま・・・・・・・・・・す(汗)  ま、まあとにかくマルチはこれで一つ成長したわけで、今後は 忘れはしませんが、浩之とあかりを信じてゆくでしょう・・・・・・・。  さていよいよ「マルチの話」も次回で10回目になります、どのような 話になるかどうぞご期待を(期待している人っているのか?)
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「先ず、最初に言っておくけど、あたしは特撮マニアじゃないからね」(--) セリオ:「そうです。綾香さんは特撮マニアなんかじゃないです」 綾香 :「そうそう」(--) セリオ:「綾香さんは特撮マニアじゃなくて、怪獣マニアなんです」(^^) 綾香 :「そうそう……って、違うわ!!」(--メ セリオ:「さらには、モスラフェチなんです」(^^) 綾香 :「ちゃうわい!!      つーか、モスラフェチってなによ?」(--; セリオ:「ええっ!? 綾香さん、モスラを愛しているのではないのですか!?」(@◇@) 綾香 :「愛してない!!」(--メ セリオ:「そうですか。すみません、どうやら勘違いをしていたみたいです」(--; 綾香 :「どんな勘違いよ? まあ、分かってくれればそれでいいけどさ」 セリオ:「綾香さんはラドンフェチだったのですね」(^0^) 綾香 :「ちゃうわ!!」(--メ セリオ:「ええっ!? だったら……もしかして……ジェットジャガーですか!?」(@◇@) 綾香 :「あれは怪獣じゃないからダメ。論外よ」(--; セリオ:「綾香さん……そのセリフ……墓穴です」(^ ^; 綾香 :「へ?      …………………………………………あっ!!」(@◇@;;; セリオ:「うふふぅ~。やっぱり怪獣マニアだったんですねぇ」(^~^) 綾香 :「……………………」(--;;;;;



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