To Heart SS マルチの話
彼女は愛されています
くのうなおき
マルチちゃんが浩之ちゃんの元に帰ってきて、3ヶ月がたちました。
マルチちゃんはわたしに懐いてくれています。
わたしも優しくて頑張り屋のマルチちゃんが大好きです、マルチちゃんと一緒にいると
幸せな気持ちになれると浩之ちゃんが言っていたけど本当にそう思います、
彼女の笑顔はわたし達を幸せな、そして優しい気持ちにさせてくれるのです。
浩之ちゃんとわたしだけでなく、浩之ちゃんのお父さんお母さん、
わたしのお父さん、お母さんもマルチちゃんが大好きです。
でも、その事で少し悩みの種ができてしまったんですけど・・・・・・。
わたしとお母さんが、マルチちゃんの作った肉じゃがに箸をつけます、
それをマルチちゃんはドキドキしながら見つめています、そんなに心配
そうに見なくてもいいのに、大丈夫だよ、きっとおいしくできてるから。
「「うん、合格!」」
わたしとお母さんの声が重なりました、それを聞いたマルチちゃんの
顔がぱっと明るくなったかと思うと、目を潤ませて「よかったですー」
と言いました、マルチちゃんの嬉しさがわたし達にも充分伝わってきました。
今日はわたしは、大学は休講日です、浩之ちゃんは講義があって
朝から出かけています。こんな日は浩之ちゃんの家でマルチちゃん
にお料理を教えるんですが、今日はお母さんも仕事がお休みで
二人でマルチちゃんにお料理を教えていました、といってもほとんど
お母さんが教えていたんだけど・・・・・・・・、まだまだかなわないなあ・・・・・。
マルチちゃんが大好きなお母さんは、暇を見つけてはマルチちゃんに
お料理を教えてくれます、それはとっても嬉しいんだけど、ちょっと困った
事があるのです。
「頑張ったわね、マルチちゃん」
そういってお母さんがマルチちゃんの頭を優しく撫でます、ううっ・・・、
わたしもしたいのに・・・・・・・。
頭を撫でられているマルチちゃんの顔はとっても幸せ一杯の表情をしています、
見ている人達みんなを幸な気持ちにさせてくれる顔です、そんなマルチちゃんを
見てお母さんがわたしの方に顔をむけて、何か言いたそうな表情をしています。
「駄目だよ、お母さん」
「・・・・・まだ何にも言ってないのにい・・・・・・」
「もう・・・、お母さんの言いたいことは分かるわよ、『マルチちゃん、うちに来てほしいなあ』
でしょ?」
黙りこくっていじいじと人差し指をあわせているお母さん、もう何度も繰り返されているやりとりです。
「だって、あかりはもう浩之ちゃんの所へ行っちゃったし・・・・・、やっぱりお父さんと二人だけだと
少し寂しいかなあなんて・・・・・、そんな時マルチちゃんがいてくれれば寂しさも無いと思うんだけど。」
「ちょ、ちょっと!わたしまだ浩之ちゃんと結婚してないのよ!!」
「でも、いずれはするんでしょ?」
「う、うん・・・・・・・」
「それに、あかりってば週に二日は浩之ちゃんの所に泊まっているし・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・」
何も言い返せません、毎日浩之ちゃんの家にご飯作りに行ってるし、自分の家
にいるよりも浩之ちゃんの家にいる時間の方が多い、通い妻状態では。
「でも、週に一度は家に泊まりに来てくれるから良いかな♪」
ううっ・・・、勝手に話を振って勝手に終わらせないでよ・・・・、わたしは「はあ・・・・」
と脱力のため息をつきます、きっと、わたしと浩之ちゃんの間に子供ができるまで続くんだろうな・・・、
このやりとり、そうするとあと何年つづくやら・・・・・。
これがわたしの悩みの種です、本当にお母さんったら困っちゃいます、マルチちゃん
が週に一度家に来るようになったのも、お母さんの強い頼みに浩之ちゃんが苦笑しながら
オーケーしてくれたからです。
でも、その時の浩之ちゃんの顔に嬉しさが出ていた事を、わたしは覚えています、あれは
それだけマルチちゃんが愛されているという事が嬉しかったと後で言ってくれました。
『マルチはな、俺とあかりだけじゃない、皆に愛されて欲しいんだ、それがあいつにとっての
かけがえの無い幸せだと俺は思う、だからおばさんがあれだけ、好いてくれていることが俺に
は嬉しいんだ。』
そうだよね・・・・、わたしもそう思います、だからお母さんとのやりとりも、悩みの種である
と同時にある意味幸せをも感じています。
わたしもマルチちゃんの頭をそっと撫でます。
「あ・・、あかりさん・・・・・・」
また、マルチちゃんがぽーっとなりました、わたしは彼女の頭を撫で続けます、いつまでも
いつまでも皆に愛されていて欲しい、そう願いながら・・・・・・・。
終
後書き
このシリーズようやく浩之、あかり、マルチ以外のキャラが登場しました。
そういえば、いままで3人以外書いてなかったんだよなあ・・・・・。
今回のひかりお母さんですが、描写が物足りないです、本当は
「きゃー、マルチちゃん可愛いー!!」と言わせるくらいすっとんだ
人にしたかったのですが・・・・、これはまたの機会にでもということで・・・・。
やっぱりひかりお母さんって「たさい」のひかりお母さんっぽくなっちゃうんですよね(汗)
それではまた
☆ コメント ☆
ひかり:「……いじめっ子あかりん」(--)
あかり:「な、な、な、なんでよぉ~」
ひかり:「マルチちゃんに来て欲しいのにさぁ。あかりったらダメだって言うんだもん」(--)
あかり:「当然でしょ! 絶対にダメ!!」
ひかり:「けちぃ~」(--)
あかり:「何と言われたってダメ」
ひかり:「ぶぅー」(--)
あかり:「いい歳して拗ねないでよ」(;^_^A
ひかり:「ぶぅー」(--)
あかり:「お母さ~ん」(;^_^A
ひかり:「ぶぅー」(--)
あかり:「どんなに拗ねてもダメなものはダメ」
ひかり:「分かったわよ。あきらめるわ」
あかり:「(ホッ)」(;^_^A
ひかり:「代わりに浩之ちゃんに来てもらうから」(^-^)v
あかり:「ぜっっったいにダメーーーーーーーーーーーーっ!!」
ひかり:「けちぃ~。いじめっ子あかり~ん。ぶぅーぶぅー」(--)
あかり:「だから拗ねないでってばぁ~」(;^_^A
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