裏版(笑)
大概の家庭が夕食の支度にとりかかる午後の五時過ぎ、我が家もまた例外でなく、あかり
とマルチがエプロンをつけて、慌しくも楽しそうに夕食の準備を始めだした。
こういう時男の出番が無いというのは世紀が変わっても変わることなく、オレは談笑しな
がら夕食の支度をしている二人をぼーっと眺めていた。
マルチがオレ達の所に戻ってきてもう二年、料理の腕前は「あの頃」がまるで嘘のように
飛躍的に上がり、今ではあかりの心強い料理のパートナーになっている。結果として、オレ
の出る幕は、皿を並べる事以外はほとんど無い。
「私作る人、僕食べる人」を地で行ってる光景だな・・・・・・・・・
「それでですね、志保さんったら、犬さんがクッキー食べているところに、突然犬さんの
頭を撫でだしたから、犬さん怒って志保さんを追っかけまわしたんですよ」
「それでわたし通りかかった時にあんなに息切れしてたんだね、ふふっ、志保ったらしょ
うがないな~~~」
談笑しながらもてきぱきと手を働かす二人を見て、やっぱり料理に関してはこの二人に逆立
ちしたってかなわねやと思う一方で、まるで母娘、もしくは姉妹、いやそれ以上の関係を思わ
せるくらい仲良く料理をしている二人を見て、オレはみょーな考えを巡らせ始めていた。
『いかんいかん・・・・・、煩悩退散煩悩退散・・・・・・・・・』
湧き上がってくる妖しげな妄想を押さえつけようと、オレは懸命に念じていたが、一度出て
きた「疑惑」とも「妄想」とも「考察」ともいえる何かは、容易に抑えきれるものではなく、<
オレはその何かを考える誘惑を振り切ることはできなかった。
ふっ、男って奴は・・・・・・・・・
『やっぱりあかりの方がお姉さんだしなあ・・・。と、なると・・・・?』
シチュエーション:日差しの柔らかい平日の午後、マルチが洗濯物をたたみ終えて
シナリオ:藤田浩之
あかり「マルチちゃん、お疲れ様」
あかり、マルチの頭をなでなで
マルチ「あ・・・・(ぽっ)」
あかり「ふふっ、マルチちゃんったら、本当頭を撫でられるのが好きなんだね」
マルチ「・・・は、はい・・・・・・何か頭がぽ~~っとして気持ちよくて・・・」
あかり「そうなんだ・・・・。うふふっ・・・じゃあ、ここも撫でられると気持ちいいか
な?」
さわさわ・・・・・・(「どこを撫でたかは秘密だぜ!(笑)」ばい浩之)
マルチ「はうっ・・・・・!!ひゃん・・・・(びくん!)」
あかり「やっぱり気持ちいいんだね♪」
マルチ「は、はい・・・でも、なんか頭を撫でられるのとは違って、とってもどきどきします
・・・・・・・」
あかり「心配しなくてもいいのよ、わたしに全てまかせて・・・・ね?」
マルチ「は、はい・・・・・(ぽ~~~~~)」
そしてあかりが顔を寄せて唇を重ねる、少し硬くなりながらもそれを受け入れるマルチ
静かな居間に、「くちゅ・・・くちゅ・・・」と舌を絡ませる音と、二人の甘い息遣いが響く
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっぱり、あかりの方が色々経験豊富だし、お姉さんの立場にいるから・・・その・・・・・・
・・・・「タチ役」というか、「可愛がる方」というか・・・・リードする方になるのか?
・・・・だけど、あかりの場合、「お姉さん」と言っても「可愛がられる」方のお姉さんっぽい
しなあ・・・・・、それにマルチって「学習型」だろ?
・・・・・・・・・・・・ということは・・・・・・?
マルチ「はふぅ・・・・・・・」
あかりのごにょごにょな行為に、すっかり陶酔状態のマルチ
あかり「どう、気持ちよかった?」
マルチ「は、はい・・・・とっても・・・・」
あかり「よかった、マルチちゃんが喜んでくれて・・・・・・って、きゃぁっ!!?」
マルチ、あかりの「検閲により削除」をさわさわ。
あかり「マ、マルチちゃ・・・・・あうっ!!」
マルチ「わたしだけ気持ちよくなるのは、あかりさんに申し訳ないです・・・・だからわたしに
もご奉仕させてください♪」
あかり「え?あ・・・、あ、やあん・・・・・(やだ、マルチちゃん・・・・とっても上手・・
・・・・(汗))」
マルチ「えへへ♪あかりさんの真似ですけど・・・がんばりますぅ」
あかり「あ・・・・だ、だめぇ・・・・・・・(はあと)」
マルチがあかりの唇を奪い、そしてくちゅくちゅと舌を絡ませる音が以下略
こうしてあかりは、マルチの拙いけど献身的な行為によって忘我の境地へ・・・・・・・
う~~~~ん、やっぱりこういう展開になるか・・・・・・・・・・・・・・
しかし・・・・・・・・・・、それもまたよし!!
と、思わず両手に力をこめて内心叫んだ時、目の前にじと~~~~っと見つめるあかりと、きょ
とんとした顔で見つめるマルチの姿があった。
「え・・・あ・・・・・、ええと・・・・・・(汗)」
「浩之ちゃんのえっち~~~~~~~~~」
頬を染め、じと~~~~っとした視線であかりが呟いた。
「(ギクッ!!)な、なにを突然言い出すんだ!!?お、オレは別に疚しいことなんか少っし
・・・・・・・・・・も考えてねーぞっ!!」
「浩之ちゃんったら、一人でにたにた~~~ってしてるんだもん。そういう時の浩之ちゃんって
必ずえっちなこと考えてるんだよ」
ちっ!!なんて鋭い奴、さすがは「研究家」・・・・。しかしお前とマルチのごにょごにょな妄
想をしていたなんて、絶対言えん!!
「で、誰のこと考えてたの?芹香さんや綾香さん、志保やレミイ、保科さんの胸でも考えてたの
かな~~~?それとも、琴音ちゃんと葵ちゃんの・・・・・」
「はぅぅぅぅ・・・、浮気はいけませんよ~~~~~~」
冗談めかしてニコニコしながら聞いてくるあかりだが、背後に感じる気配は「もしそうだったら
お・し・お・き☆」とあからさまに語っていた。
オレ絶体絶命のピンチ、助けて月光仮面(汗)
「ち、違う!!オレが考えてたのはお前とマルチの・・・・・・!!」
・・・・・・・・・・・・・やべ(大汗)
あかりの出す「プレッシャー」に思わず口を滑らしてしまい、慌てて何とか言いつくろえないか
と言葉を捜すオレだったが、時既に遅しな状態であった。
みるみるうちにあかりの顔が恥ずかしさで真っ赤になっていき、それに反比例するように顔が恐
怖で蒼くなっていくオレ。もはや残された道は諦念以外に何もない事を認めざるを得なかった。
「浩之ちゃんの・・・・・・・どエッチ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
そう叫ぶや否や「煩悩払い」の鍋を取り出すあかりに、状況が今ひとつ飲み込めない表情であるに
もかかわらず「エッチな浩之さんにはお仕置きですぅ」と、モップを取り出すマルチ、くそっ、何時
の間にかあかりに教育されていたか!?う~~んやっぱり・・・・・・
「もう、またぁ!!」
バコッ!!
「ぐはっ!!」
あかりの一撃を皮切りに、夕食そっちのけの「お仕置きタイム」が始まった・・・・・・
・・・・・んでその夜は、とどめとばかりににあかりにこってり「搾られ」ました、はい
教訓:「妄想は一人っきりの時にやりませう」
後書き
・・・・・・・・・・・・・・・・どうせ私はエロエロですよ~~~~だ(笑)
ああ、自分自身に腹が・・・・立たないってのがちと問題なのかもしれませんね。
まあ、二周年なSSでこういうのもまたいいんではないでしょうか?はい
という事で、今後も見捨てずに「マルチの話」をよろしくお願いします~~~~(^^;;