了承学園(まじかる☆アンティーク)4日目放課後
健太郎の初体験?
からん♪からん♪
HonyBeeの扉が開けられ,スフィーと健太郎が入ってきた。
「いらっしゃいませ♪あれ,健太郎さんどうしたんですか?」
リアンが健太郎に尋ねる。健太郎とスフィーはこの時間帯は五月雨堂にいるはずである。
「ああ,実はスフィーの奴が・・・・・・・・・・。」
「うりゅ~,おなか空いたよ~。」
「まあ,そういうわけだ。」
つまり,スフィーがおなかが減ったと言って駄々をこねたからHonyBeeにおやつを食べに来たのである。
「お店の方は大丈夫なんですか?」
リアンが,五月雨堂の心配をする。こういう気配りがいかにもリアンらしい。
「みどりさんとなつみちゃんにまかせてきた。あの2人なら大丈夫だ。スフィーに店番を負かすよりよっぽど安心できる。」
「健太郎,そんなことはどうでもいいから早く食べようよ!」
健太郎の皮肉は,空腹のスフィーには通じなかった。
そのころの五月雨堂
「なつみちゃん,お茶をどうぞ。」
「あっ,ありがとうございます。」
2人してお茶を飲んでいた。
「あっ,この湯飲み,ひびが入っています。」
「あら,本当ね。」
なつみの手にした湯飲みにはひびが入っていた。
「何か不吉なことが起きるのでしょうか?」
「ねえ,その湯飲みのひび,金箔か何かで接いだら味か出ると思いませんか?」
なつみとみどりの会話は,ずれていたが,なつみの不安はあたっていた。ここではなく,HonyBeeにおいて・・・・
そして,HonyBee
スフィーの前には,大量のホットケーキが積まれていた。
「しあわせ♪」
それを食べるスフィー。そして健太郎の前にはワッフルらしき物が置かれていた。
「結花。これは何だ?」
「ワッフルのオレンジソース掛け。」
結花は明快に答える。
「いや,それは解るが。俺は確かコーヒーを頼んだはずだが?」
「偶然,新メニューを作っているところに,健太郎が来たからごちそうしてあげようと思ったのよ。」
「俺は,試食役か?前みたいに,激辛とか,激甘とか言わないだろうな!」
ギク
「そ,そんなことはないわよ。たぶん・・・・・・・・。」
健太郎の言葉に動揺を隠せない結花。
「何か怪しいぞ,隠していることがあるだろう。早くはいて楽になれ。カツ丼を食わしてやるぞ(?)。」
「それは,その,・・・・・・・・・・・健太郎。それを食べるのと蹴りを喰らうのどちらがお望みかしら?」
形勢不利と見た結花は,健太郎を脅迫することにした。
「・・・・・・・・・・食べさせていただきます。」
不吉な思いを残しつつ,『ワッフルのオレンジソース掛け』を食べることにした。
一方五月雨堂では
がしゃーん
陳列してあった皿が落ちて割れた。
「どうしてお皿が?やっぱり何か悪い事の前兆かしら?」
なつみが片づけをしながらそうつぶやくと,
「置き方が悪かったのかしら?次からは気を付けましょう。」
みどりとなつみの会話はずれていたが,なつみの勘は当たっていた。
そして,HonyBee
健太郎は,結花の作った『ワッフルのオレンジソース掛け』をおそるおそる口に運ぶ。
「うっ!ゆ,結花,この俺に毒を盛るとは,やる・・・」
バタン
最後までセリフを言えずに轟沈した健太郎に,リアンと結花が駆け寄る。
「健太郎さん,しっかりしてください。」
「健太郎!ごめん!味見する勇気がなっかたの。」
実は,ワッフルにかけられていたオレンジソースは謎ジャムをベースに作った物であった。
ちなみに,ワッフルも山葉堂の『練乳蜂蜜ワッフル』だった。
結花は,本日限定50個販売された,謎ジャムを興味本位で買ってみたのである。
しかし,味見する勇気はなかった。(当然リアンも味見していない)
そこに,健太郎が来たので毒味役にしたのである。
ところで,スフィーは
「うりゅ~,あたし幸せ~♪」
ホットケーキに夢中で目の前の惨劇に気がつかなかった。
ちなみに結花の作ったオレンジソースの作り方
100mlのあの液体を鍋に入れ,焦げないように弱火で煮込みながら,謎ジャム400mlを少しずつかき混ぜながら入れる。
沸騰したら,火を止め隠し味に練乳大さじ1杯を入れ,よくかき混ぜて冷蔵庫で冷やす。
冷やしたソースをワッフルにかけて完成。
その後
「このメニューどう思う?」
「結花さん,誰も食べないと思います。」
「やっぱりそう思う。」
結花とリアンが例のメニューについて話していると,
「ワッフルのオレンジソース掛けください。」
「「!!!」」
なんと注文する人がいた。
あとがき
久々の了承学園への投稿です。
健太郎の初体験とは,当然謎ジャムを食べることです。
しかも,HonyBeeの新メニューは了承学園の3大珍味(もしかしたら3大凶器かも?)をもれなく使った料理です。
破壊力は謎ジャムの3倍以上だったでしょう。初体験の健太郎には厳しかったでしょう。
あと,このメニューを注文する人は2人しかいないでしょうね。ちなみに2人とも名前の頭文字がAです。
さて,誰が注文したでしょうか?
フランク疾風
☆ コメント ☆ 綾香 :「イヤな予感はしたのよねぇ」(^ ^; セリオ:「『ワッフルのオレンジソースかけ』……。危険な香りがプンプンした名前ですもんね」(;^_^A 綾香 :「うんうん」(^ ^; セリオ:「それにしても……『破壊力は謎ジャムの3倍以上』ですか」(;^_^A 綾香 :「健太郎さん……ご愁傷様でした」(^ ^; セリオ:「そういえば、あのワッフルを注文した人ってどなたでしょう?」 綾香 :「茜でしょ? 頭文字も『A』だし」 セリオ:「なるほど」(;^_^A 綾香 :「でも、茜以外にもう一人、あのワッフルを注文する人がいるみたいね。 しかも、その人の頭文字も『A』らしいわ」 セリオ:「う~ん、誰でしょうね? その『A』さんは?」 綾香 :「誰かしらねぇ?」 セリオ:「う~ん。う~ん。う~~~~~~ん。 う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。 あっ! わかりました!!」(^0^) 綾香 :「え!? わかったの!? それで? 誰?」 セリオ:「もう一人の『A』は『AYAKA』。 つまり、綾香さんです!! 決定!!」(^0^) 綾香 :「……………………あんたねぇ。あたしを殺す気?」(--;;; ・ ・ ・ ・ ・ 茜 :「……このワッフル、みんなに薦めていいですか?」 A :「了承」(^^)