私立了承学園
4日目 4時間目 雫
「話ってなんですか? 叔父さん」
今部屋の中にいるのは長瀬祐介とその叔父である長瀬源一郎の二人だけである。
祐介が叔父に呼び出されたのだ。
「いや、な。お前も色々な経験をしてだいぶ成長したと思ってな」
「なんですか、突然……」
「狂気の果てに暴走した月島に敢然と立ち向い、こちらの世界に連れ戻したり」
「知ってたんですか!?」
「俺も「長瀬」だからな」
「って意味わかりませんって……」
「まぁそれはいいといて」
「いや、よくないですよ!」
「破壊神時代のガディム教頭から皆で力を合わせて世界を守ったり」
「人の話聞いてないし……」(;--)
「ついこの間までは自分には関係無いみたいな顔して孤立してたお前がなぁ……
他の連中と力を合わせて何かできるようになるとは、本当に成長したもんだ」
「は、はぁ……」
「そして何より……」
「……?」
「女の子4人も妻にしちまうんだからなぁ! いやもう立派な大人だな!!」
「ぶっ! い、いきなり何を……」
「事実だろ?」
「ま、まぁ……」
「それにもうイタしちゃったんだろ?」
「ぶっ!!」
「? どうした? まさかまだなのか!?」
「い、いぇ……しました……」
「そうかそうか、一瞬焦っちまったぞ。まぁ、そんなわけでお前ももう立派な大人だ」
「は、はぁ……」
「そこで、だ」
「はい?」
「そろそろ祐介のことを「長瀬家の成人男子」として迎えようと思ってな」
「な、なんですかそれは……」
「なに、ちょっとした儀式だ。つってももう話中に終わってるんだがな」
「へ?」
「うむ、これでお前も立派な「長瀬家」の一員だな!!」
「??」
「ほれ」
源一郎は鏡を取り出し、祐介に見せた。
そして、そこに映っていたものは………
「うわあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ゆ、祐くん!?」
「祐介さん!!」
「祐介君!?」
「祐介ちゃん……」
「な、なんだ、どうした?!」
突然の祐介の絶叫に全員飛び起きる。
「はぁ、はぁ…… ゆ、夢……?」
とりあえず周りを見まわし、心を落ち着け今の状況を整理する祐介。
今は4時間目。イビルがやってきて「いーもん借りてきたぜ!! この時間は昼寝!!」とか
言い出し、今は全員昼寝をしていたのだ。
「どうしたの祐くん? 顔色凄く悪いよ……?」
「か、顔……」
とりあえず手近な窓に映る自分の顔を見る。
いつもの顔だ。
「祐介さん?」
「あ、あぁ、大丈夫……かなり恐ろしい夢を見ただけだから……」
「そうですか……」
「でもおかしいんじゃないの? この枕っていい夢が見れるんでしょ?」
自分の分の「夢見の枕」を持って香奈子が首をかしげる。
「っかしーなぁ……確かにそう聞いて借りてきたんだけど……現にアタシはいい夢見てたぜ?
どっかおかしいんじゃねぇの?」
頭を掻きながら祐介の方に行くイビル。
「んー……ってあれ?」
何かに気づいたようだ。
「どうかしました?」
「オイ祐介、これ逆さだぜ?」
「へ?」
「まぁ昔からまくらがえしに枕をひっくり返されると悪い夢を見るって言うしな。
この枕も大方ひっくり返したら悪夢を見るようになってんだろ」
「は、はぁ、そうなんですか……」
「にしてもでけー声出しやがって。人がせっかくゆっくり眠ってたってのによぉ……」
「すみません……」
「なんか時間も中途半端になっちまったな。後の時間は適当に過ごしてくれや。じゃーな」
イビルはそのまま枕を回収して出ていってしまった。
「ねぇねぇ祐くん、どんな夢見たの?」
「あ、私も聞きたいです」
「興味あるわね」
「くすくすくす………」
皆興味津々といった顔で祐介の顔を覗きこむ妻達。
「は、ははは……ちょっと思い出したくないから勘弁して……」(汗)
引きつった笑みを浮かべながら許しをこう祐介。
「ん~、まぁ祐くんが話したくないならムリには聞かないけど…」
「そうですね」
「ま、気になるけど仕方ないわね」
「くすくすくす………」
(ふぅ…)
とりあえず妻達は簡単に引き下がってくれたようだ。
(にしても、心臓に悪い夢だった……)
「大丈夫だよ祐介ちゃん」
「る、瑠璃子さん?」
「………」
「し、知ってるの?」
「私寝てないもの」
「え……」
「祐介ちゃんの電波たくさんたくさん届いたよ……」
「あ、あはは……」
「大丈夫だよ」
「?」
「祐介ちゃん、まだまだ若いもの。まだその時じゃないよ」
「る、瑠璃子さん……僕もう笑えないよ……」
「くすくすくす……祐介ちゃんのキャラが違っちゃったよ」
「うぐぅ……」
「それも違うよ」
「あぅーっ」
「もう一声」
いや、もう終われ。
<強制終了>
ERRです。
信じられません、自分で。いろんな意味で(笑)
ていうか最後の数行はもはや犯罪的ですね(爆)
ネタ自体は結構前に考えたんですが、そんときは枕は長瀬主任の発明でした。
けど、なんか全体的に変な文章だったので(コレが変でないかどうかはこの際無視)消しました。
んで、今回、STEVENさんが「夢見の枕」を持ち出してくれたのであやかってみました。
教師がイビルなのは趣味です。これ書き始める直前にナイトライターやったことも原因かも(笑)
関係無いデスが、ナイトライターでイビルに攻撃を当てたときのメッセージの
「きゃっ!」
てのが個人的にらしくなくて可愛いと思う(笑)
……なんやねんこの後書き(笑)
☆ コメント ☆
セリオ:「『立派な長瀬家の一員』ってなんでしょう?」(;^_^A
綾香 :「……さぁ?」(^ ^;
セリオ:「どうやら、顔が変化するようですが」
綾香 :「もしかして……」
セリオ:「『もしかして』?」
綾香 :「伸びるんじゃないの?」
セリオ:「は? 『伸びる』?」
綾香 :「つまり、いわゆる馬面になるってことよ」
セリオ:「な、なるほど。
確かに、祐介さん以外の長瀬一族の方はみなさん……ですからねぇ」(;^_^A
綾香 :「祐介もいつかはセバスみたいになるのかしら?」(^ ^;
セリオ:「それは……沙織さんたちが嘆きそうです」(;^_^A
綾香 :「まあ、今の祐介を見る限り、馬面にはならないと思うけど」
セリオ:「ですね。祐介さんはたぶん突然変異なんですよ」
綾香 :「……と、突然変異」(^ ^;
セリオ:「きっと、長瀬一族唯一の美少年なんです」(^^)
綾香 :「…………そうかも」(^ ^;
セリオ:「でも……祐介さんの10年後がちょっとだけ楽しみだったりもしますけど」( ̄ー ̄)ニヤリ
綾香 :「おいおい」(^ ^;
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