チュン、チュン・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 鳥のさえずり声が、窓の外から聞こえ、カーテンの隙間から、朝の柔らかい日差し
が入り込み、未だ眠りから覚めない三人をそっと照らしていた。
 
 
 
 
 
 
 やがて、時計が6時55分の表示を示したころ
 
 
 ブウウウウウン・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 「ふにゃ・・・・・・」
 
 
 スリープモードが自動解除され、「目を覚ました」マルチは、両隣にいる浩之とあかり
を見て、部屋をきょろきょろと見回した。そこは、いつも見慣れた浩之達夫婦の部屋で
はなかった。
 
 
 「あ、ここは、学生寮でしたよね。」
 
 
 昨日、突然この「別世界」に飛ばされた、マルチと浩之とあかりは、この世界にある
「了承学園」という摩訶不思議な学校のお世話になる事となった。そして今日から、元
の世界に帰れる日まで、了承学園の生徒としての生活が始まるのだ。
 
 
 
 
 
 
 マルチ達の常識から全く外れている、この学園の生活に不安を感じてないわけで
はない。それでも、その一方で、元の世界でも知ってる人、知らない人を問わず、新
しい出会い、そして元の世界とは、また違った学園生活に期待を抱いているのも事
実であった。
 
 
 
 
 何より、マルチが、誰よりも一番大好きな二人がそばにいる・・・・・・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 「うん、何がおこっても大丈夫です。」
 
 
 小さくガッツポーズをとって気合をいれ、両隣の二人を見つめ、「朝ですよ」とささやき
かけ、二人の頬にそっと口付けをした。三人が一緒に寝た日の朝、必ずやる儀式である。
これが二人を起こすのに、非常に効果があるのだ。
 
 
 
 
 浩之とあかりは、頬に、優しく、柔らかく、そして暖かい感触を感じたせいか
 
 
 
 「う~~~ん」
 
 
 
 「ふあ・・・・・・・・・ん・・・・・・」
 
 
 
 うっすらと目をあけ、自分達を起こした、愛らしい少女の姿を確認した。
マルチは二人に笑いかけ、元気よくいつもの朝の挨拶をした。
 
 
 
 
 
 
 「おはようございます!浩之さん、あかりさん」
 
 
 
 
 

 
     「マルチの話」 ・ 「私立了承学園」 外伝
 
 
 
 
 
     「マルチの話」 in 「了承学園」
 
 
                    くのうなおき
 
 

 
        第八話   ついに授業!了承学園波高し! 
 
 
 
 
 
 藤田家は、通常の起床時刻は7時となっている。「規則正しい生活が、健康を保つ
んだから。」とのあかりの厳命に浩之は逆らえず、結婚以来、そのような規則正しい
生活をしてきた。今にして思えば、浩之の両親が、二人の結婚を早めに勧めたのも
、それを期待していた事が一因だったのかも知れない。
 
 
 
 
 
 『まあ、今となっては、そんな事どうでもいいんだがな。』
 
 
 
 
 
 大きく体を伸ばしながら、浩之は内心呟いた。自由だが、不規則で、そして「独り」の
生活を送るよりも、愛する人達と共に目覚め、朝のすがすがしい一時を過ごす方がず
っと幸せであった。朝、自分を笑顔で見つめる、あかりとマルチの二人を見る度に、い
つも思う事だった。
 
 
 
 「さてと・・・・、着替えて、朝飯のしたくをしなくちゃいけないんだが・・・・・。」
 
 
 浩之は、どうしたものかと、目の前にある高校時代の制服を見た。昨夜、ひかりから
渡された物で
 
 「着る着ないは、浩之ちゃん達の自由よ。まあ、せっかくの機会だから、高校時代に還
ってみるのも悪くないとは思うけどね♪」
 
 と、ひかりは悪戯っぽい笑みを浮かべてそんな事を言った。何だかんだ言って、結局浩之
達が制服を着るのを期待しているふうにしか見えなかったが・・・・・・・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 『しょーがねーな・・・、ひかりお母さんに乗せられてみるか・・・・・。』
 
 
 
 
 
 と、浩之が制服を着る事を決めた時、浩之の肩を、あかりが、ちょんちょん、と突付いた。
浩之が振り向くと、あかりとマルチが二人とも、制服を胸に抱えて「「えへへ~♪」」と笑って
いた。浩之が決心するよりも先に、既に二人は制服を着て登校しようと決めていたわけで
あった。浩之はやれやれと苦笑すると、
 
 
 「そうだな、ここにいる間は、高校時代に戻ろうか!」
 
 
 「うんっ!!」
 
 「はいっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 朝食を済ませると、浩之達三人は学生寮を出て、了承学園へと向かった。学生寮から、了承
学園までは、大体1,5キロ、ほぼ直線の道のりで、近すぎず遠すぎずの距離だった。
 学生寮を出て、100メートルくらい歩いたところで、浩之とあかりは、何か言いたそうにしてい
るマルチに気付いた。
 
 「どうしたのマルチちゃん?」
 
 あかりが、マルチの顔を覗き込むようにして聞いた。マルチは、「えっと・・・・、あのう・・・・」と
もじもじしながら、上目づかいに浩之とあかりを見ると、
 
 「あの・・・、あの・・・・、ええと・・・・・、お二人と・・・・・・・・・、手を繋いでもいいですか・・・・・・・・?」
 
 と、顔を赤くして言った。
 
 浩之とあかりは、顔を合わせて微笑み合うと、その笑顔をマルチの方に向けて手を差し出した。
 
 
 「あ、ありがとうございますっ!!」
 
 先ほどの遠慮がちな顔と声から一転して、嬉しさを顔一杯に出した笑顔と、元気な声で答えると、
マルチは二人の両手をきゅっと握り、二人にぶら下がるようにしながら歩き出した。
 
 「そんなに手を繋いで行きたかったのか?マルチは。」
 
 以前、元の世界で、同じように高校時代の制服を着て、三人で夜の高校へ行った時以上に
テンションの高いマルチに、少々驚きながら浩之は聞いた。
 
 「はいっ、こうやって浩之さんとあかりさんと一緒に学校へ行きたいな、って思ってました。それ
が、こういう形で実現できて、とっても嬉しいですっ!」
 
と、元気一杯に即答するマルチだった。あかりは、そんなマルチを微笑みを浮かべて見つめ、そ
して、浩之の方へ顔を向けた。
 
 
 「ねえ、浩之ちゃん」
 
 「ん?」
 
 「わたしもね、とっても嬉しいよ・・・・。浩之ちゃんとマルチちゃんと三人で、こんな風に一緒に学校
へ行けて。」
 
 「あかり・・・・・?」
 
 「高校の頃ね、浩之ちゃんとマルチちゃんが一緒に楽しそうに掃除しているのを陰から見ていた、
わたしも一緒に仲間に入りたいなあって、三人で一緒に登下校したら、楽しそうだなあって、そう
思ってたの・・・・・、でも、あの頃のわたしはそれを言い出す勇気がなくて・・・、結局、浩之ちゃんに
自分の想いを伝えられたのは、マルチちゃんの試験期間が終わってからだった・・・・・。」
 
 「・・・・・・・・・・・」
 
 「だからとっても嬉しいの、こうやって三人で学校に行けるのが。あの時できなかった事が、こうや
って実現できるんだもん。」
 
 「そっか・・・・・・」
 
 浩之は、応えると、内心自問自答した、「自分はどうなんだろう?」と。いや、答えを考えるまでも
なかった、浩之とて、あかりとマルチと似たような思いなのだ、あの頃、自分の本当の想いから逃
げていて、結局できなかった事が、今出来る。あの頃のことを悔やむ気持ちはない、そのような悔や
む気持ちを無くすくらい、今は幸せな日々を送っている、あかりとマルチと三人で幸せを分かち合
っている。しかしまた、今その時に感じられるであろう幸せを、三人で分かち合いたいのも事実だ。
 あかりとマルチ、二人の喜びは、同時に浩之の喜びでもあるのだから・・・・・・・。
 
 
 
 「よし、ここにいる間は、毎日こうやって登下校しようぜ。」
 
 浩之の言葉に、あかりとマルチは満面の笑みを浮かべて頷いた。
 
 
 遠くに十一人の男女・・・、正確には十人の少女達に一人の少年、が見えた。この世界の「浩之」
達であろう、昨日のダメージなの微塵も残っていないようで、代わる代わる「浩之」の両腕にしがみ
ついて、楽しそうに話をしながら歩いていた。
 
 「ねえねえ、わたし達の格好見たら何て言うかな?」
 
 「う~~ん、あかりは何時になっても、高校の制服が似合うんだな、かな。」
 
 「ぶう~~~っ、それは誉め言葉?それとも・・・・」
 
 頬をふくらませるあかりに、浩之は、にやっと笑うと
 
 「最愛の嫁さんを貶す言葉なんて、オレの頭の中にはないぜ」
 
 
 と恥ずかしげも無く言った、いつもなら、中々言えないことなのだが、これから始まる「もう一つ
の高校生活」への期待に気分が高揚しているのか、あかりを正面から見てきっぱりと言った。
 
 
 「や、やだあ・・・・、もう・・・・・・」
 
 
 
 顔を赤くして、もじもじするあかり、そんなあかりを見て「正気づいた」のか、また顔を赤くして
あらぬ方向を見る浩之を、にこにこ笑顔でマルチは見ていた。
 
 「・・・・どうした?マルチ?」
 
 じっと見ているマルチに気付いて、少々どぎまぎしまがら聞く。
 
 
 
 
 「いえ・・・・、お二人とも、とっても仲がよくて嬉しいです・・・・・って♪」
 
 
 
 さらっと言ってのけるマルチから、またも目を反らす浩之。
 
 
 
 
 
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んじゃ、あいつらに追いつくとするか・・・・・・・・・・・・・・・。」
 
 
 
 
 照れを隠すように、『浩之」達に向かって、浩之は歩調を早めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「う~~ん・・・・・・・」
 
 秋子は、机の上の教職員名簿を見て、朝から15回目の唸り声をあげた。
 
 「中々、担任にうってつけの先生が見つからないわね・・・・・・・。」
 
 コンコン、と理事長室の扉をノックする音がして、「ひかりだけど」と声がした。
 
 「あ、入って」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「で、未だ『浩之ちゃん』達の担任を誰にするか決めかねてるわけね?」
 
 ひかりは、教職員名簿のページをめくりながら言った。
 
 「この世界の事については、全く知らない、慣れてない子達でしょ?色々相談事だってあるだろうし、そう
いう面でしっかりした人を担任にしたいんだけど・・・・・・。」
 
 「そういう人達は、既に他のクラスの担任をしてるからね・・・・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 『もっとも、担任を任されていても、問題起こしてばっかりの人もいるけど・・・・・』
 
と、二人は内心呟いたが、今はそういう話題ではないので、言葉には出さなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「他のクラスの方々が、代わる代わる『藤田家』と合同授業を行うことによって、交流を深め
ていってもらいたいと思ったんだけど、やっぱり、こちらの藤田家と一緒のクラスに入ってもら
った方がいいかな・・・・・・?」
 
 「でも、授業によってはねえ・・・・・『合同クラス』ではできないのもあるでしょ・・・・?やっぱり家族の
プライバシーに関わるものなんかは・・・・・・・」
 
 ひかりは曖昧な言い回しをしたが、要するに、「エッチな授業を行う場合、合同クラスではまずいでしょ?」
 
という事である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 「よし、わたしが『浩之ちゃん』達の担任を引き受けるわ。」
 
 「でもあなた校長なのに・・・・・・」
 
 
 「理事長のあなただって、祐一君達の担任をしてるじゃない、それにわたし、あの子達の母親
代わりでもあるんだからちょうどいいってものよ♪」
 
 
 
 「ま、まあ・・・そうだけど・・・・・・」
 
 
 「校長の仕事に関しては、わたしと秋子とガディムさんの三人で分担していけばいいし、それで
いいでしょ?」
 
 
 「そうね・・・、それじゃあお願いする・・・・・」
 
 
 と言いかけた秋子を、ひかりは微笑みながら止めた。
 
 
 
 「そうじゃなくて、こういう事は一言で・・・・ね?」
 
 と言うひかりの言葉に、秋子は苦笑して
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「了承」
 
 
 
 
 
 
 と応えた。
 
 こうして、浩之、あかり、マルチの三人のクラスの担任は、神岸ひかりと決まったわけだが、事は
そう簡単に進みそうになかった。秋子、ひかりの知らぬところで、別に事態が進行しようとしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「まったく学習能力が欠如してのかねえ、あんたは・・・・・・・、またぶった斬られても、あたしゃ治療
なんかしてやらないからね・・・・。」
 
 
 眼前で、上半身裸、下は腰蓑をつけて、アフロのかつらをかぶり、これから行う「作戦」なるものの
ブリーフィングを同じ格好をした貴之と行っている柳川を、白い目でみながらやれやれといった感じ
で、メイフィアはぼやいた。
 
 「お前にどうこう言われんでも、同じ失敗を繰り返す愚は犯さん。別世界から来た浩之達は、どうやら
こういうのが好きらしいからな。フン・・・、ガディムの、あの下らぬ尻だしの芸も受けたというではないか
、ならば、オレ達二人の芸ならば、万雷の拍手を持って迎えられる事必至というものだ。」
 
 
 「それでもって、なし崩し的に浩之達のクラスの担任になって、森川由綺さんの大ファンであるマルチ
ちゃんに取り入って、コンサートチケットを融通してもらうよう頼むというわけ?・・・・・・・・・・はあ~~~
なんて泥縄式で、遠まわしなやり方するんだろうねえ?、こいつは。んなもん、ちゃっちゃと冬弥君達に
頼んでしまえば済む事でしょうが。」
 
 
 「それができないから、このような作戦を立案したんだ、全く・・・、簡単に言って欲しくないものだな、一
度事を構えた者同士が、そうそう短絡的に打ち解けられるものか。和解したといっても、それは先の騒
動に関してであって、相変わらず藤井家の連中は、少なくともオレに対して好意を持っているとは思えん
・・・・・。」
 
 
 「そんな事態になったのも、すべてあんたの『不徳の致す所』でしょーが。」
 
 
 「だから、このように、事前調査を行って、事を慎重に、あせらず、じっくりと長期的スパンでもって考えて
運ぼうとしているんだ。藤井家の件に関しても、今回の藤田家の件に関しても。」
 
 
 「・・・あたしゃつくづく、あんたという生き物が珍しく思えてくるわ、驚くほど繊細な神経もってるかと思え
ば、恐ろしいくらいにがさつで、相手の迷惑考え無しに行動する、・・・・一体どっちが本当のあんたなんだ
ろうねえ・・・・・・?」
 
 
 
 
 「・・・・・・・・さあな」
 
 
 
 「ま、何にしても、事が大問題に発展して、秋子理事長に詰問されても、『あたしは最後まであんたを
止めようとした』と言っておいてよね。」
 
 
 「・・・・・・・・人のやる事を最初から失敗と決め付けやがって・・・・・・・。」
 
 
 「どう受け止めるかはあんたの自由、さ、もうすぐ授業が始まるわよ。ま、せいぜい浩之達の受けを
取って、ことがうまく進む事を祈ってるわ。」
 
 
 「フン・・・・、心にも無い事を・・・・・・」
 
 
 「あんたの為じゃないわよ、浩之達は実はそういう芸が大好きだった、という事であるのを祈ってる
わけ。そういう趣味を持ってるのが幸せかどうかは知らないけど、ゲロ吐いて、この学園に嫌悪感持た
るよりはましだからね。」
 
 
 「全く、口の減らん壁紙女が・・・・・、それじゃあ、貴之、マイン、行くぞ!」
 
 
 
 「ああ、それじゃあ行ってきます。」
 
 
 「イツモイツモ、オ騒ガセサセテスイマセン」
 
 
 「南国スタイル」の男二名と、ラジカセ、棒二本、その他小道具を抱えたメイドロボットは保健室を出て行
った。ドアが、パタン・・・・と閉まると、メイフィアは、「はあ・・・・・・・」とため息をついた。
 
 
 
 
 
 『初授業早々、退学騒ぎなんて洒落にならないからねえ・・・・・・・、しょうがない、あたしも後から行ってみる
か・・・・・・』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 風が強く吹いているわけでもないのにジャケットをたなびかせ、校庭から浩之達のいるであろう教室を
九品仏大志は高笑いを響かせながら見ていた。
 
 
 
 「ふはははははは、別世界から来た者には、必ずなんらかの『能力』が備わってると聞く。さて、藤田浩之
、藤田あかり、藤田マルチよ・・・・、諸君達には一体どんな『能力』があるのかな?それを我輩に是非とも
見せてもらいたいものだ、そして我輩の世界征服の野望の同志になるのだ!!くっくっく・・・・・、まあいき
なりとは言わん、まずは我輩の芸をじっくりと堪能し、打ち解け合い、同志和樹と同じクラスに入って、我輩
の偉大なる野望を理解してからでも遅くはないというものだ!」
 
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・ここにも、勘違い男が一人いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「やはり行くのか?」
 
 学園内にある、精神修行用に設けられたお寺、「一喝寺」の門前で、今朝二度目のその言葉をセバスチャン
は、何が入ってるのかわからない唐草模様の風呂敷を背負ったメカ英二に向けた。
 
 「ハイ、ココデノ作業ガ不満トイウワケデハアリマセン、シカシ、一方デ、私ノ中ニ未練ガ残ッテイルノデス。」
 
 「未練・・・・・・とな?」
 
 「ワタシハ、モトモト緒方英二ノ代用教員トシテ作ラレマシタ、ダカラ、緒方英二ガ復帰スルト共ニ、私ノ『教師』
トシテノ役目ハ終ワリ、コノオ寺デ、アナタノサポートヲスル役目ニツク事ハシゴク当然ノ事ト判断シテイマス。シカ
シ一方デ、ワズカナ期間デハアリマシタガ、教師トシテ、教壇ニタッタアノ時ヲ忘レラレナイノデス。今モ尚、私ハ
教師ニ対シテ未練ヲ持ッテイル、ソンナ状態デ、ココニイルワケニハイカナイノデス。」
 
 「まあ・・・・、あまり堅苦しく考えなくてもよいと思うのだが、お主がそういう風に決めたのなら、私は引き留めん
行って来るがよい。」
 
 「アリガトウゴザイマス」
 
 「何かあったら、いつでもここに戻ってくるがよい、私はいつでもお主を歓迎するぞ。」
 
 「ワカリマシタ、心遣イ、感謝シマス。」
 
 「・・・・で、どうやって教師に復活する算段なのかな?」
 
 「今度、入学シテキタ、別世界カラ来タ藤田浩之様ノクラスニアタッテミヨウト考エテマス。円滑ナコミュニケーションヲ構築サセテ、ナシ崩シ的ニ、実質的ナ担任ノ地位ヲ確立サセル作戦デス。」
 
 「ふむ・・・・、藤田様にお主が受け入れられるといいがな・・・・・。」
 
 「全力ヲモッテ、事ニアタル所存デス。」
 
 「分かった、それでは行って来い。」
 
 「ハイ、色々オ世話ニナリマシタ。」
 
 ぺこりと頭を下げて、一喝寺を後にするメカ英二を、その姿が見えなくなるまでセバスチャンは見送っていた。
 
 『正直、今のお主では教師の座の復帰するのは無理であろう・・・・、しかし、未練を持ったままここにいると
いうのも、お主の為にもならないしな・・・、行って来い、そして己の未熟さを思い知ってここに戻ってくるが良い
、また修行し直して、再チャレンジすればいいことだ・・・・・。』
 
 そして、セバスチャンは一喝寺の中に戻っていった。これから、境内ですねている舞奈を説得しなければなら
いのだった。
 
 『まったく、女泣かせなロボットよの・・・・・・・』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 三者三様の思惑を胸に抱いて、浩之達のいる教室に、「問題教師」達が集結しようとしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「ねえねえ、浩之ちゃん、何かどきどきするね?」
 
 「ああ、担任の先生も決まってなければ、どんな授業をやるのかも分からないしな?」
 
 「一体、どんな方が担任の先生になるんでしょうか?優しい方だといいですね。」
 
 「うん、それと楽しい授業をしてくれるといいな、例えば昨日のうさぎさんとか・・・・」
 
 「あ、あかり~~~~~・・・・」
 
 「えへへ、浩之ちゃんだって、嫌いじゃないでしょ?」
 
 「ま、まあなあ・・・・・・」
 
 「わたしとあかりさんで、浩之さんにうさぎさんのサービスをしましょうね♪」
 
 「ま、マルチお前まで・・・・、まったくしょーがねーなー・・・・・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ・・・・・・・・・・しかし、浩之達はこれから起こる事態を知る由もなく、相も変わらずほのぼのしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  第八話     終
 
 
 
 
 

 
 
 後書き
 
 またまた前後編になってしまいました。あれも書かなきゃ、これも書かなきゃとやってると、知らず知らず
のうちに、分量が増えていってしまいますね、もう少し削減できるところを見極める力が欲しいものです。
 さて、次回はいよいよ問題教師の激突です、あの「怪獣共」が引き起こす騒動に、果たして浩之達は
耐えられるのか?
 
 あ、断っておきますが、決して深刻な展開にはしませんから、その辺はご安心ください(^^

�@���@�R�����g�@�� �Z���I�F�u�_�V���������A�s�[���`�����v�i�����G �����@�F�u���������A�����������t�B���������������������������B���������v(^ ^�G �Z���I�F�u���A�����v�����������H �@�@�@�@�@�������A�����������w���������������������������������c�c�v�i�����G �����@�F�u�������������v�������B�����A���C�t�B�A���������������������������B �@�@�@�@�@���������������������u���[�L���������������������v(^ ^�G �Z���I�F�u�c�c�A�N�Z���������������������������B���C�t�B�A�������v(�|�|�G �����@�F�u���J���v(^ ^�G �Z���I�F�u�����[���B�_�V�����A�����������A�}���`�����B�����������B�S�z�����`�`�`���v�i�����G �����@�F�u�������B�m�����S�z�����B �@�@�@�@�@�����A���������������������������A���������B�������S�z�����B���������v(^ ^�G �Z���I�F�u���H�@�������������H�v�i�E�E? �����@�F�u�������A���S�����H�������������������������������v(^ ^�G �Z���I�F�u�c�c�c�c�v(;^_^A



����