「それじゃあ、向こうの世界では、オレ達と浩之さんは知り合っていないんですか?」
誠が、少し残念そうな口調で言った。
「ああ、冬弥さんから君の事は聞いたことはあるが・・・・・、『浩之君によく似た
従兄弟の子がいる』って。」
浩之は、ちょっと思い出すように言った。
「冬弥兄さんとは、知り合ってるんですか?」
「長瀬さん絡みでね、って源五郎さんの方だけど、兄弟の方がやってる喫茶店で
冬弥さんを紹介されたんだ。」
「と言う事は、由綺や理奈ちゃん、美咲さん、はるか達とも知り合ってるのかい?」
今度は冬弥が聞いてきた。
「ええ、と言っても由綺さん、理奈さんとは、仕事の関係上、めったに会えませんけど。」
「向こうでも、やっぱり売れっ子アイドルなんだな。」
「ええ、それはもう、あ、ちなみにうちのマルチは由綺さんの大ファンなんですよ。」
「へえ・・・・、それは意外な。」
浩之と冬弥は、向こうで、「マルチ」やあゆ、澪、初音、千紗達と談笑しているマルチを見
た。会って、まだ一時間位しか経っていないが、すっかり打ち解けているようだった。もっとも
それはあかりにしても同様で、マルチ達とは別の所で、「あかり」、瑞希、あずさ達と話していた。
時々双方が顔を真っ赤にしている所を見ると、一体なにを話しているのやら・・・・・。
「だけど冬弥兄さん達は、浩之さんと知り合いなのに、オレは知らない者同士っていうのは
なあ・・・・。」
誠が、また愚痴めいて言った。所詮は「他人事」のはずなのだが、やはり別世界とはいえ
「自分」の事のように思えてしまうのだ、ある意味仕方が無い事とも言えよう。
「だけど、オレ達が知り合ったのだって、ほとんど偶然みたいなもんなんだぜ、しょうがねえ
んじゃないかな?幸い、冬弥さんとは知り合いだろうし、いつか知り合う時が来るって。」
「浩之」がなだめるように言う、誠は「それもそうだよな・・・」と気をとり直した。
「しかし、さっきから思う事なんだが・・・・」
「浩之」が言う。誠は「?」と「浩之」を見た。
「お前、浩之さんに対しては、敬語なんだな?」
「当たり前だろ!!年上の人なんだから!!」
「・・・・オレだって、『年上』だぜ。」
「それは、お前が『タメで構わないぜ』って言ったからじゃないか。なんなら、これから敬語使うか?」
「う~~ん、よし、ちょっと試してみてくれ。」
「分かった・・・、いや、分かりました・・・・。」
と、しばらく二人は黙り込んでいて、やがて・・・・・・・
「「ぶわっはっはっはっは~~~~~~~!!」」
と笑い出した。
「だ、ダメだ~~~、背筋がぞわぞわってくる~~~~~~~~~!!」
「お、オレもだ・・・、なんかしっくりこねえ・・・・・・、わははっ!」
「やっぱり、タメでいいわ」
「そうだな、オレ達はそれでいいのかも」
「やれやれ、二人共何やってんだか・・・・・・・・。」
耕一は「いつもこんな調子なんだよ、この二人は」と浩之に苦笑しながら言った。
「でも、いいじゃないですか。向こうでは、男ではこういう友人がいませんでしたから・・・
オレ。」
元の世界に戻ったら、「彼に合ってみよう」か、そう浩之は考えていた。
「マルチの話」 ・ 「私立了承学園」外伝
「マルチの話」 in 「了承学園」
くのうなおき
第六話 いんたーみっしょん(前篇)
別世界からやってきた、「もう一人の」浩之、あかり、マルチを巡る偽者騒動
は、何とか無事解決し、「了承学園」の生徒として、彼らを迎え入れる事となり
、学食「piaキャロット」において多妻部の生徒達による三人の歓迎会が行
われていた。既に元の世界で知り合った者、全く知らない者を問わず、三人は
たちまちの内に、了承学園の者達と打ち解けていった。
「え~~、それじゃあ、マルチちゃん達は鶴来屋に行った事があるんだ?」
初音がちょっと驚いたように言った。
「はい、去年の秋に浩之さんとあかりさんとひかりお母さんの四人で、その時
向こうの世界の初音さん達と知り合ったんですよ~。」
「ね、ね?向こうの世界ではわたし達とお兄ちゃんって、どうなってるの?」
「それはもう、耕一さんは皆さんにお優しくて、千鶴さんや、梓さん、楓さん
初音さんとも仲良くなさっていますよ。」
いわゆる優柔不断なわけである。
「ここでは、『浩之ちゃん』ったら、10人の女の子をお嫁さんにしてるんだよね?」
「はい、わたしとマルチちゃん、芹香さん、綾香さん、保科さん、レミイ、理緒ちゃん
、琴音ちゃん、葵ちゃん、セリオちゃん・・・・、でも、決して浮付いた気持ちで結婚
しようとしてるわけじゃないです!これはわたし達が望んだ事で、皆浩之ちゃんが
大好きだから、浩之ちゃんなら皆を幸せに出来ると信じてるから・・・・・・・!!」
あかりは、苦笑して熱弁を振るおうとしている「あかり」を止めた。そんな事は分か
っている、彼女達、そして「浩之」を見れば、一目瞭然だった。
「ううん、わたしの言いたいのは、『浩之ちゃん』がその・・・・・、『疲れないかな?』
って思ったの・・・・・・・・・。」
「「「「「「それは心配ありません!!(心配ありません)」」」」」」
頬を赤くして、一斉に答える「あかり」、芹香、綾香、智子、葵、琴音にあかりは
「???」と目を点にしていた。
そんなあかり達を、瑞希と名雪はくすくすと笑って見ていた。
「もっとも、多妻部の男の人達なんて、皆似たよなものだけどね?」
「そ、そうですよね・・・・・」
「で、でも祐君は・・・・・・・・・・」
と二人に異議を唱えようとする沙織だったが、すぐに口を噤んでしまった。
「クスクス・・・・・・、長瀬ちゃんも、『とっても強い』よ」
「瑠璃子さん、そんな、さらっと言わないで・・・・・。」
「しかし、藤井誠・・・・、そういえば高校二年の頃『君の』噂を色々聞いた事が
あるぞ。」
「え?ど、どんな噂ですか?」
少しおっかなびっくりな感じで聞く誠、多分とは、予測してはいるが・・・・・
「『二股一年生』とか、『学食の大食い魔人』とか・・・・・・・、なんか凄いのが入ってきた
とは、その時思ってはいたが・・・・・。」
「やっぱり、そんな事でしたか・・・・・・。」
予想していたとはいえ、ちょっとがっくりする誠であった。
「だけど、そんな噂誰からって・・・・、やっぱり・・・・・アレですか?」
「そう、アレ」
「アレ、ですね・・・・・やっぱり・・・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
暗黙の了解のように、顔を見合わせる三人、そこへ・・・・・・・。
「だ~~~れが、『アレ』なのよお~~~~~~~~~~~~~~!!」
二人の間に割って入るように、「アレ」志保が突然目の前に現れた!
「わ、い、いきなり出てくるな!!」
「うるわい・・・・・・!!人の陰口たたいていて、なんちゅう・・・・・ういっ、言い草なのよお
・・・・、こんの、チビヒロ、クローンヒロ!!・・・・ひっく・・・・・。」
「あ、テメー、酒飲んでやがるな!!」
「浩之」が酒の臭いに顔を少ししかめながら怒鳴った。
「あらあら、違うわよ~~~~こ・れ・は『アルコールの入ったオレンジジュース!!』なのよ
酒だなんて・・・・・・・・・・・・、じょうだんじゃないわよ~~~~~~・・・・げっぷ・・・・」
「ぐわ!!顔近づけるんじゃねえ!!」
「誰だ!!志保にこんなの飲ませたのは!!」
「ううっ・・・大体見当はついているけど・・・・・・・・」
ぼそぼそと呟く耕治を、浩之が「?」と訝しげに見た
「きゃははははははははははは!!何しんきくさいいかおしてるのよ~~~耕治く~~~~~ん♪」
「どわ~~~っ!!や、やっぱり、留美さん・・・・・・っ!!」
「こんな目出度い席で、そんな顔は似合わんぞ~~~~~!!ほりぇ、耕治君も浩之さんも
きゅ~~~~~~っといけえ~~~~~~~~~♪」
と言って、「アルコール入りのオレンジジュース」のビンを耕治の口に突っ込む留美。身の危険
を感じて、その場から逃げようとする浩之だったが・・・・。
「ほらほら~~~~~、浩之さんも、がばっといきましょうよ~~~~~~~♪」
志保がビンを持って待ち構えていた。
「い、いや・・・・オレ酒はあんまり強くないから・・・・・・」
「な~~~~に言ってんのよ!!いつも何かイベントがあるたんびに『酒は出ねえのか?』なん言ってるくせに
~~~~~♪」
「こっちのオレもそんな事言ってんのか!?」と思う浩之だったが、とにもかくにも、「潰れて」しまうわけ
にはいかない、誰か助けは・・・・・!?と思って辺りを見渡したら。
「うにゃ・・・・『浩之ちゃん』・・・・・・好きにしてえ・・・・・・・・」
「だめ~~~~・・・、あたしが先なのよお・・・・・・・・ひっく・・・・」
「たまには、わたしも先にしてほしいわ~~~~~~♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「浩之ちゃん・・・・・ご飯できたよ~~~~・・・・・・・・」
「ふにゃ・・・・・・くまさんです~~~~・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「藤田家」の面々は皆、志保、留美の「餌食」になってるし、あかりとマルチも同様で、すでにバタンキューの
状態だった。「浩之」は、当然のごとく「あかり」達にとっつかまってる状態であった。
「ふっふっふ~~~~、こうなったら、もうにげられない・・・・・・うい・・・・おとなしくこの志保ちゃんの
・・・・・ジュースを頂くの・・・・ひっく・・・・・!!」
「お前、その言い方は誤解を招くぞっ・・・・・・・・・・ぐぼ!!」
言い終わらないうちに、「アルコール入りのジュース」のビンを口に突っ込まれた。
・・・・・・・・・・三十分後、浩之はあかりとマルチと三人仲良く「眠って」いた。
「さて、そろそろ・・・・・、きゃっ!?」
明日も授業がある事だし、歓迎会をお開きにしようと、食堂に入ってきた秋子を待っていたのは
「死屍累々」たる光景だった。
「こ、これは・・・・・、一体・・・・・・?あ、あのどうしてこんな事に・・・・・・?」
「生き残った」人間に茫然とした面持ちで聞く秋子。
「成人の方ぐらいは、お酒もいいかな?なんて思ったんですが、まさか留美さんがあんなに『酒癖が悪い』とは思いませんでしたわ、ちーちゃん大失敗
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てへっ♪」
と言って、千鶴は、舌をちょろっと出した。
第六話 終
後書き
とりあえず、前後篇に分けます。しかし、一話で大体のキャラと
絡ませるのは無謀ですね、やっぱりこつこつとやっていかなくちゃ
・・・・・・・(^^;;
早く授業篇に入らなきゃねえ・・・・・・(汗)
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