まさにハーレムとも言えるこの言葉に憧れる男性諸子も多い事だろう。
しかし、本当にそんなに良いものなのだろうか?
そこで今回は、この言葉を体言している男性、藤田浩之氏の1日に密着し
その実体を探ってみたいと思います。
<朝>
「浩之ちゃん」
ユサユサ
「浩之ちゃんってば」
ユサユサユサ
「朝だよ。起きて。浩之ちゃ~~~ん」
ユサユサユサユサ
「さっさと、起きんかい!!」
スパ~~~ン!!
「ぐはっ!! ・・・って、またかい!!」
「それはこっちの台詞や! まったく毎回毎回懲りんやっちゃなぁ」
「まあまあ、2人とも」
・・・ったく、朝っぱらからテンションたけぇなぁ。
まあ、毎朝の事なんだけど。
俺は今、10人の女の子と同居している。
そしてその内の2人に起こしてもらうのが毎朝の日課となっていた。
その2人の内訳だけど、1人は必ずあかり。(なにやら第一夫人の特権らしい。なんだかなぁ。)
もう1人はローテーションらしい。
この、もう1人というのが非常に重要だ。
芹香先輩に琴音ちゃんや葵ちゃん、マルチに理緒ちゃんといったところなら常に優しく起こしてくれる。
よって、爽やかに朝を迎える事が出来るという訳だ。
委員長や綾香、レミィといった面子の時は危険信号が点灯する。
なにせハリセンや鉄拳、矢(これは稀だけど)などが容赦無く飛んでくる。
下手をすると(しなくても)生命の危機だ。
しかし・・・実は、なにげにやばいのがセリオだったりする。
口調は優しい。優しい・・・が。
頼むから電気ショックは止めて欲しい。
それと、軍事データや格闘家のデータをダウンロードする事も・・・。
今のところ9日の内4日は間違いなく朝からボロボロになっている。
それなら、さっさと起きれば良いだろうという意見もあるだろう。
でも、そういう訳にもいかないのだ、これが。
理由は・・・・・・後で分かると思う。
<昼>
「メシ~~~」
午前の授業が終わり、待ちに待ったランチタイム。
「第一声がそれかい。ほんま、子供みたいやな」
「ほっとけ。腹が減ってるんだからしょうがねぇだろ」
「くすっ。みんなが集まるまでの我慢だよ、浩之ちゃん」
「分かってるって」
俺たちはいつも屋上でメシを食っているが(無論、雨や雪の日以外)
その前に一度俺の教室に集まる事になっている。
要は「全員集まってから屋上へ移動」ということなのだが、別に誰かがそうしようと言い出した訳ではない。
気が付けば、いつの間にか習慣になっていた。
みんな、考える事は同じって事か。
それからしばらくして、全員が揃った。
8人の美少女が一堂に会す様子はなかなかに壮観なものがある。
「よっし、みんな集まったな。それじゃ、そろそろ・・・」
そこまで言った時、俺は妙な視線を感じた。
そっちの方へ振り返ってみると・・・
げっ!!
クラスの男連中が俺の事を睨んでいた。
そいつらの目には、嫉妬・妬み・羨望・怒り・憎悪など、さまざまな負の感情が渦巻いていた。
矢島の奴なんか、あからさまに殺気を漲らせてやがる。
「どうかしたの、浩之ちゃん?」
あかりが不思議そうな顔で聞いてきた。
「いや、別に」
でも、奴らの気持ちも分かる。
なんといっても、うちの学校内でも指折りの美少女たちを独占されているんだからな。
頭にもくるだろう。
あんまり刺激しないうちに出て行った方がいいな、そう思った瞬間・・・
「やほやほ~~~。浩之~~~」
「どうも、浩之さん」
こ、この声は・・・。
「あ、綾香とセリオ! どうしてお前らがここに・・・って、なんでうちの制服を着てるんだよ!!」
「な~~~に言ってるのよ。転校して来たに決まってるじゃない」
「転校!? いつそんなのしてきたんだよ!?」
「たった今」
オイオイ。
「マジかよ」
「大マジです」
セリオが答える。
「あたしたちだけ違う学校ってのは不公平でしょ」
「私たちも浩之さんのお側にいたいんです」
うっ、可愛い事言ってくれるぜ。
ふと気が付くと、例の視線がさっきより強くなった気がした。
気持ちは分かるぞ。
分かるけど・・・。
俺が夜道で襲われる日も近いかもしれない。
<夜(1)>
トントントン
リズミカルな包丁の音が響いている。
今日の炊事当番は・・・あかりとセリオか。
今晩のメシは期待大だな。
藤田家の食事関係はあかり・セリオ・琴音ちゃん・葵ちゃんの4人が主に受け持っていた。
ちなみに他の6人はというと・・・
芹香先輩・・・たまに得体の知れない材料が入っている。
委員長・・・以外に不器用。目玉焼き位ならというレベル。
レミィ・・・天性の味覚音痴。
綾香・・・基本的に料理の経験無し。
理緒・・・作れない訳ではないが、多数の食器が割れる事への覚悟が必要。
マルチ・・・ミートせんべいから、あまり進歩していない。
え~~~と、その、まあそういう事だ。
そういえば以前、レミィとマルチの2人が料理を作った事があったが・・・
もの凄い代物だった。
あれを料理と言って良いのだろうか?
少なくとも、俺は二度と口にしたくなかった。
どんな物だったかは、各人のご想像にお任せしよう。
<夜(2)>
「ふわ~~~。眠くなっちゃいましたぁ」
「そやな」
「・・・・・・・・・・・・(こくっ)」
「そうですね」
・・・という訳で就寝時間。
別名「大人の時間」の始まりだ。
えっと、今日は・・・。
「あかり、そろそろ寝ようぜ」
「う、うん」
夜も朝と同様にローテーションになっていた。
さすがに夜は1人ずつだけど。
そして、これまた朝と同様にあかりだけは特別だった。
他の女の子が2週間に1回位の割合なのに対し、あかりは5日に1回位の割合だった。
これも、第一夫人の特権という物らしい。
しっかしなぁ、いくらなんでも毎日というのはちょっと。
猿じゃ無いんだから。
・・・などと思いつつも結局はいたしてしまうんだよなぁ。
まったく、俺って奴は・・・。
こんなだから、朝起きられなくなるんだよな。
分かっちゃいるけど止められないとは、まさにこの事だった。
もしかして、俺って猿以下かも・・・。
<朝>
モゾモゾ
・・・ん?
ゴソゴソ
「・・・あかり?」
「あ、ごめんね。起こしちゃった?」
「・・・・・・・・・寝てる」
「くすっ。うん、もう少し寝ていてもいいよ。また後で起こしにくるから」
「ああ」
俺は再び眠りに落ちていった。
・・・そして。
「浩之ちゃん」
ユサユサ
「浩之ちゃんってば」
ユサユサユサ
「朝だよ。起きて。浩之ちゃ~~~ん 」
ユサユサユサユサ
また騒々しい1日が始まった。
・・・そうですか。
そうですよね。
えぇ、そうだろうと思いましたよ。
それでは皆さん、またお会いしましょう。